2017.01.05
動画プラットフォームとしてのFacebookを理解する
Point 01 Facebook動画機能の基本
動画コンテンツの活用に力を入れているFacebookだが、SNSマーケティングの観点からはどのような点に注目しておくとよいのだろうか。
動画の投稿が表示されやすい
友人・知人たちとのリアルなネットワークをベースに広がりを見せるFacebook。友人やフォローした有名人の近況コメントや写真、気になったニュースのリンクなどがフィードに流れてくるが、これは時系列で新着順に表示されるわけではなく、その個人ごとに最適化された情報が上位に表示される仕様だ。
この表示順序を決定するアルゴリズムをFacebookでは「エッジランク」と呼んでいるが、従来の親密度などの重み付けに加え、コンテンツの種類によっても表示される順番が変わってくるようにアルゴリズムが変更された。
最近特にFacebookが力を入れているのが動画コンテンツで、動画投稿やライブ動画配信などが優先して表示されるようになっている。企業のSNS運用担当者は、この動きをきちんと押さえておく必要があるだろう。
また、通常の動画だけでなく、既存の写真をつなげて動画にする「スライドショー」や、あらかじめ用意されたテンプレートに素材を配置するだけでFacebookページ用にビジネス紹介動画が作成できる「ビジネスストーリーメイカー」など、動画制作に不慣れな場合でも簡単に投稿できる支援ツールなどが提供されていることは知っておきたい。
さらに動画の投稿や再生だけでなく、継続的な動画コンテンツの活用を促進する機能も備わっている。それが「注目の動画」と「プレイリスト」ページだ。前者はFacebookページに訪れたユーザーに対しておすすめの動画を1本紹介する機能で、後者は以前に投稿した動画をグループ分けして並び替えることで、過去の動画資産を有効に活用するもの。
例えば、製品紹介の動画やCMなどをテーマごとにまとめたプレイリストにしておけば、訪問者にとっては便利なコンテンツとして提供できるというわけだ。
セルフ型の動画広告は決して難しくない

動画広告はデスクトップのニュースフィードやウインドウ右側の広告枠など配信場所を選択できる。動画は無音で自動再生され、クリックすると音声が流れるほか、フルスクリーン再生も可能だ

スマートフォンのニュースフィードにも同様に配信できる。こちらも無音の自動再生で、タップするとフルスクリーン再生される
では、Facebookへの動画コンテンツ投稿を自社の課題に対してどのように役立てていくべきであろうか。もちろん、企業が抱える課題はさまざまだ。自社のFacebookページを作成したばかりでファンの獲得を目的にするのか、ブランド認知もしくは商品やサービスの販売拡大を目的にするのか、投稿を宣伝してニュースフィード内での話題を集めたいのか、それぞれの目的によって取るべきキャンペーンの施策は異なる。
だが、いずれの場合も「Facebook広告」によって多くのユーザーの目に留まるようになるので、通常の投稿だけよりも目的達成までの時間を大幅に短縮できる。
Facebook広告には動画広告のメニューが用意されており、「広告マネージャ」または「パワーエディタ」から新規の広告キャンペーンを作成したら「動画の再生数を増やす」「投稿を宣伝」「Facebookページを宣伝」「ウェブサイトへのアクセス/コンバージョンを増やす」「アプリのインストール数/エンゲージメントを増やす」などの目的から選択する。

広告マネージャからキャンペーンの目的を設定し、広告セットでターゲットや予算、配置場所などを設定したら動画を広告として投稿できる。動画の字幕を付けることも可能だ
そして、ターゲット設定のきめ細やかさもFacebookならではの利点。地域や年齢・性別といった属性、興味関心やつながりといった項目を組み合わせることで、届けたい相手に配信できる。ただし、あまり細かく設定しすぎるとリーチの規模が少なくなり過ぎてしまったり、基本属性を登録していないユーザーを取りこぼしてしまったりするので、最初は年齢、性別程度にして徐々に最適化を図っていく必要がある。ただし、若年層のFacebook利用率は微減の傾向にあるので、商材によっては後述のLINE、Instagram、MixChannelといったほかのSNSも比較検討したい。
課金のスタイルもインプレッションに対する課金(CPM)や動画の視聴数に対する課金(CPV)から選べるが、セルフ運用型の広告では低予算から始められるので、浮いた分の費用を動画のクリエイティブ制作に振り分けられるメリットがあるのは見逃せない。