2017.01.04
SNS × 動画マーケティングの現在 Facebook、Twitterなど国内主要SNSをフル活用!
動画コンテンツをマーケティングに利用するならSNSの活用は欠かせない。動画マーケティングに特化したメディア「movieTIMES」を運営する瀧良太さんと同編集部の宮下周子さんに、SNS × 動画マーケティングの現状について聞いた。
なぜSNS×動画に注目が集まるのか
「SNS上での動画視聴や、日常のコミュニケーション手段としての動画利用が急速に増えたことで、企業のマーケティング活動においてもSNS動画活用の需要が拡大しています」と語るのは、動画マーケティングに特化した情報を発信するWebメディア「movieTIMES」 を運営する瀧良太さん。
その背景として、スマートフォンやSNSアプリの普及、通信速度の向上、そして動画視聴メディアの増加により、いつでもどこでもスマートフォンで動画を視聴する習慣が広まっていることなどが挙げられるという。
すでに主要SNSも続々と動画機能を強化していて、スマートフォンでの動画視聴を加速させている。「各種調査データがこれを裏付けていて、 Facebookでの動画視聴時間のトータルが2016 年1月に1億時間を突破したことも公式に発表されてます。動画視聴のメインスクリーンがスマートフォンになる日もそう遠くないかもしれません」(瀧さん)
企業側もこうした動画視聴をめぐる変化を察知しており、日本より一歩先を行く米国のBtoB企業を対象に行った2016年の調査では、動画配信チャネルとして自社WebサイトよりもSNSを利用する率が上回っている。

米Regalix社がBtoB企業のマーケティング担当者に対して2016年に実施した動向調査では、動画配信チャネルとしてもっとも利用されているのが「SNS」という結果となった。SNSの価値の1つはその拡散性にあり、認知拡大という目的との相性が良いと考えられているのだろう ※State of B2B Video Marketing 2015を元に作図
従来は動画を制作したらとりあえずYouTubeにアップロードするという企業が大半だったが、各種SNSの動画機能が充実してきたことに加え、マーケティング予算が限られている企業でも少ない予算でスタート・運用でき、拡散性も期待できるSNS動画広告が普及してきたことの表れと言えるだろう。
クリエイティブ別の動画広告の効果

広告の配信タイプによって効果は大きく異なる。動画広告はクリエイティブの難易度は高いものの、伝えられる情報量や露出に対して得られるクリック率(CTR)は高いのでチャレンジする価値は高い。Digital Advertising Benchmarkレポートによると、通常のディスプレイバナー画像付きがPCで平均0.11%、モバイルで0.27%なのに対して、動画広告では0.42%と高CTRが得られた
SNSに限らず動画広告はクリエイティブ制作の難易度は高いものの、画像とテキストだけで構成されたPCのバナー広告よりも約4倍のクリック率という成果を上げた事例もある。もちろん業種によっても傾向が異なるが、動画広告と相性のよい業種のベスト3としては、①趣味系・興味系(CTR:0.82%)、②ショッピング系(0.67%)、③B2Bなどビジネス系(0.62%)が挙げられる(Digital Advertising Benchmark Report調べ)。
SNSユーザーから見た動画コンテンツ
さて、その一方でSNSの利用者は企業から発信されるコンテンツをどのように感じているのだろうか。動画、画像、テキスト、その他のコンテンツを比較した調査(The Science of Social Video調べ)では、もっとも好まれるのが「動画」 の31%であり、79%のSNSユーザーが企業やブランドを知るには動画がもっとも手軽で簡単だと回答した。
さらに同調査ではSNSでの動画視聴時間が昨年より長くなったと67%が回答しており、この傾向は今後も進むことが想定される。
また、米国での調査だが、どの動画メディアを好むかという設問に対してはYouTubeの50%とFacebookの36%が2強という結果となっている。
ほかには、SNS上での動画コンテンツ視聴が商品の購買の検討に影響を与えていると回答した人は74%、動画視聴後に実際の購買行動を起こした人は46%という興味深いデータもある。
ただし、自分との関連性が低いと感じるコンテンツや宣伝色が強いプッシュ型のコンテンツを視聴した後に購入意欲が下がったと答えた人も29%存在するため、動画コンテンツの内容によってはその企業やブランドの好意度を下げてしまう可能性がある。
「SNSでの動画広告が増加している一方で、戦略立案や効果検証の方法を模索している段階の企業が多いのも事実です。私たちも含めて多くの企業がそれぞれに経験を積み、より効果的な施策が展開されていくことを期待したいと思います」(宮下周子さん)