【コラム】想いを伝える「担当者の絵コンテ」|WD ONLINE

WD Online

One's View コラム Web Designing 2017年2月号

【コラム】想いを伝える「担当者の絵コンテ」 今号のお題「動画マーケティング」

さまざまな方々に、それぞれの立場から綴ってもらうこのコラム。ひとつの「お題」をもとに書き下ろされた文章からは、日々の仕事だけでなく、その人柄までもが垣間見えてきます。

現在ローソンでは、LINE LIVE、AbemaTV、niconico、Twitter(Periscope)、Facebook、Instagram、YouTubeなど、各種メディアで商品やサービスの動画を制作/配信しています。まずは、C CHANNELさんに毎月4本の動画を制作してもらい、それらを上記媒体に転載。各SNSも動画投稿へ最適化を行っており、仕様などのアップデート頻度が高いので付いていくのも精一杯です。

コンビニエンスストアではさまざまなサービスを扱っているため、動画の内容も「クリスマスケーキ」「電子マネーの支払い方」「コピー機」「銀聯カード」など内容が多岐にわたります。また、SNSでお客様向けに制作したものも、ローソン店舗内配信用やクルーさん(パート・アルバイトさん)用、社員用に加工して配信することもあります。

かくいう私も動画制作の経験がなかったので、自由大学の「魅せる!映像学」という講座に参加しました。自ら絵コンテを描いてから撮影、その後Adobe Premiere Pro CC2015で編集して3分の動画を制作したのですが、出来上がった動画は惨憺たるもの…(涙)。ちなみに、スタジオジブリ作品にまつわる「聖地巡礼動画(聖蹟桜ヶ丘とか狭山丘陵)」の制作のため、休日を利用してあちこちで撮影し、夜遅くまで編集するなど手塩にかけて育てた動画です。講評ではいろいろ厳しいコメントやアドバイスをいただき、「動画をつくるのってこんなに大変なんだな~」と痛感したばかりです。

そんなプチ監督デビュー経験もあり、動画制作のポイントは「想いのある人」が一度アウトプットのイメージを紙に描いてみるのがいいのかも、と思うに至りました。商品を開発した本人の想いがもっとも強く、その想いを動画に落とし込むのが大事なのでは、とも考えています。そこで担当者に絵コンテを描いてみてくださいとお願いしてみても「絵が下手で」「口頭ではダメですか」と断られることもしばしば。けれども、できる限り自身の手で描いてもらうようにしています。もちろん描いてもらったイメージをそのまま使うのではなく、そのイメージをもとにしてディスカッションで改善し、プロの方が見せ方を工夫してくれることで動画は完成していくのです。

最近ではスマホで動画を撮ったり見たりするのが当たり前になっているので、思わぬ映像の才能&クリエイティブ魂を発揮してくれる担当者もいます(笑)。写真は、先日制作した「ウチカフェスイーツDIY」の動画と制作風景です。絵コンテは広告販促の井上さんによるもので、リボンを巻いたスプーンをテーブルに添える案も彼女が考えてくれました。

今後も「動画」を想い強く、フットワーク軽く制作していきたいと思います。

実際に動画を制作した際の絵コンテ(写真左上)と、作業風景(左)。口頭によるオリエンが担当者によりバラバラなことを考えると、絵コンテをMD(商品開発担当者)、広告販促、サービス部、エンタメ部など、それぞれの担当者に自筆してもらうことでよりよい動画が制作できるのだと思います 「ウチカフェスイーツ動画

 

ナビゲーター:白井明子
(株)ローソン デジタルプラットフォーム部マネジャー。デジタルプラットフォームを用いた施策の構築と企画を担当。「Web人大賞」、日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー準大賞」受賞。ACC新事業検討委員会委員、法政大学イノベーションマネジメント研究センター客員研究員。http://www.lawson.co.jp/

掲載号

Web Designing 2017年2月号

Web Designing 2017年2月号

2016年12月17日発売 本誌:1,559円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

Web動画マーケティングの[最新]勝ちパターン

サンプルデータはこちらから

企業のIT推進担当者やネット運営者に向け、ネットビジネスの課題を解決するノウハウや最新情報をお届け。徹底した現場目線とプロへの取材&事例取材で、デジタルマーケティング施策に取り組む上での悩みや疑問、課題を解決するヒントを紹介します。

2月号の特集テーマは「Web動画マーケティング」です。

「いまは動画の時代である」と言われはじめてはや数年。インターネットで見られるコンテンツのうち、動画の割合が増えてきたことは言うまでもありません。SNSはもとより、コーポレートサイトなど、目にする機会が多くなった動画は、すでにマーケティングのツールのひとつとして考えるのが当たり前になっています。とはいうものの、いまのビジネスに動画がどんなメリットを与えてくれるの? という方も多いのでは。そんな方のためにも本特集では、利益を伸ばすためのポイント、トラフィックを増やす方法、SNSやYouTubeとの連携など、ビジネスに動画を活用するための知識や方法を、費用対効果に沿った形で解説します。大手企業のマネをするのではなく、自社のビジネスにあった動画の活用方法をお伝えします。


第1部「ここだけはおさえたい! 動画マーケティングの基礎知識」

_実録「マーケティグ動画のできるまで」
実際に中小企業が動画マーケティングのプロに仕事を依頼した一つの案件について、ヒアリングから動画制作、納品、その後の分析/解析まで時系列で紹介。
動画施策の一連の流れを疑似体験してみましょう。

_やさしく解説する「動画マーケティング」
動画マーケティングについて、その考え方、ポイント、留意点などさまざまな点から、動画とマーケティングの関係についてわかりやすく解説します。

_“動画マーケティング”その背景を考える
なぜいまマーケティングに動画が利用されるのでしょうか。写真ではなく、動画であることの理由はたくさんありますが、スマートフォンの普及、それに応じた縦型動画の利用などなど、いま動画がマーケティングとして利用される背景について考えます。

_マーケティング視点で考える動画
動画をマーケティングに利用するということは、単に写真を動画に入れ替えるということではありません。動画にすることの目的は、あくまでも自社の課題を解決するためです。
課題を見つけ、それに応じたKPIを立て、PDCAを回していくという基本的な考え方が必要であることを改めて考えます。

_Facebook、Twitter、Instagram…SNSで展開する動画について
SNSで動画はどのように扱われ、いかにマーケティングに利用できるのでしょうか。各SNSがプラットフォームとして用意する動画との親和性はもとより、利用する側が知っておきたいさまざまな知識について解説します。

_Youtubeで公開する動画について
SNS同様、動画プラットフォームとして確立しているYouTube。広告としてだけでなく実際に動画を配信することで得られるメリット、マーケティングとして利用するための方法についてなど、あらかじめ知っておくべき基礎知識をまとめます。

_動画の効果を測定する方法、その考え方
動画を利用したマーケティングでは、動画つくって終わりではありません。公開した動画がどのように見られているのか、アプローチしたい層に届いているのかなど、その効果を測定しながらさらなる改善が必要になってきます。そのための効果測定について、解説します。


第2部「事例集」
_5つの事例から学ぶ、動画マーケティングの現場からの視点

コラム
_費用対効果で考える自社の動画制作(予算と規模感の相関)
_中小企業が実践すべき動画マーケティング10か条