2015.09.12
One's View コラム Web Designing 2015年9月号
［デジタルプロモーション］Makeup Genius メイクを変えるきっかけ
4人のナビゲーターが、それぞれ自分のジャンルから一つの対象を選んで毎月紹介する「ナビゲーターズコラム」。選んだ対象の目の付け所や特徴など、わかりやすく解説してくれます。
私は化粧はしない派だ。男だし。女性は大変だなー、とよく思う。メイクには時間がかかるし、お金もかかる。それに面倒くさそう。でも、たまにコスメの仕事をすると、女性が少し羨ましく思うことがある。メイク次第で違う自分をつくれるからだ。
コスメ業界には重大な問題がある。「新たなメイクを試してくれない」ということだ。ほとんどの女性は一度メイクを決めたら、そのスタイルを変えることはしない。なにかのきっかけがない限り。そのきっかけの一つとして、デパートの化粧品売場でフルメイクをしてもらうというのがあるだろう。リップなど単体ではない。フルメイクだ。リップのトーンを変えたら全体のトーンも変える。デザインで言うところの写真を変えたらデザインも変わるのと同じだ。しかし、フルメイクの機会なんてそうはないだろう。そこでそれが手軽にできるアプリの登場だ！ 自分の写真を撮ってアップロード、色を調整、目や口の位置を調整、顔の位置を調整、メイクの種類を選択して‥‥。め、面倒くさい‥‥。
こんなアプリは数知れず。ほとんど売上なんかに貢献していないだろう。この手のアプリは面倒でリアリティがないのだ。しかし、それを覆すアプリが登場した。L'ORÉAL PARIS（ロレアル・パリ）の「Makeup Genius」だ。とにかく試してみてほしい。本当に簡単にフルメイクした自分が見られるのだ。静止画などではなくリアルタイムで合成されるため、まるで自分のスマホが手鏡になったかのようになる。ここまで自然にメイクが合成されれば、ここから売上が伸びていることも納得できる。
社会的な問題を解決しないとカンヌライオンズでは賞が獲れないと言われている昨今、このアプリはその技術力でGOLDを含む数々の賞を受賞。これはGame Changer、つまり今までのコスメ販売の常識を変えうる可能性が評価されたのだ。
【Digital Promotion】Makeup Genius
- ナビゲーター：築地ロイ良
- Creative Director （株）BIRDMAN代表、クリエイティブディレクター。インタラクティブを中心に、あらゆるメディアを使って人が動かす提案ができる。Cannes Lions、ADFEST、One Show、SPIKES ASIA、広告電通賞など国内外にて100以上の賞を受賞。このメイクに関する自分の知識は、ほぼ想像でフィクションです。http://birdman.ne.jp/
