2016.01.28
One's View コラム Web Designing 2016年2月号
[バズ施策:Volvo Trucks - Look Who's Driving feat. 4-year-old Sophie]「リアル」と「リアリティ」
4人のナビゲーターが、それぞれ自分のジャンルから一つの対象を選んで毎月紹介する「ナビゲーターズコラム」。選んだ対象の目の付け所や特徴など、わかりやすく解説してくれます。
いや~、久々に唸りました! 今回紹介するのは、Volvoトラックの最新ムービー「Look Who’s Driving feat. 4-year-old Sophie」。そう、2013年にジャン=クロード・ヴァン・ダムの股割り映像で世界を席巻した「Volvo Live test」シリーズの最新作です。公開数時間で100万再生を超え、公開3週間では1,000万再生を上回る勢いなのです。
今回の主人公はなんともキュートな女の子、ソフィーちゃん4歳! なんと、その子がラジコン化された本物のVolvoトラックを遠隔で操縦します。しかし、4歳が操縦するもんだから、運転が破茶目茶!しかし、ムービーを見ていてふと気づくのです。いつの間にか「Volvoトラックすげ~」と感心している自分に。そう、この破茶目茶な運転でも毅然と走る姿が、トラックとしての性能の高さを伝え、なおかつちゃんとエンターテインメントにまで昇華させているのです。
そして、今回のキモはなんといっても、ソフィーちゃんの起用! トラックという商品とのギャップ、キュートな見た目はもちろん、ここでは映像の「リアリティづくり」に大きく貢献しています。バズムービーでよく「本当にやったの?!」的な神業ムービーがありますが、昨今は映像で「リアル」を表現するのが難しくなってきています。それは、CGやVFXの技術が進歩し、ありもしない世界をリアルに再現できてしまい、視聴者はそれに慣れているから。そのせいで、映像になった時点で嘘っぽくなってしまうのです。なので、そういったムービーをつくる際は、あえて“リアリティを狙った演出”をしないと伝わりません。今回の企画、運転が苦手なハリウッドセレブなどを起用することも可能です。しかし、大人の事情がわからない“子ども”が操縦するほうがこの破茶目茶な企画を「リアリティ」をもって伝えることができるのです。 クレバー&キュート!!
【Buzz】Volvo Trucks - Look Who’s Driving feat. 4-year-old Sophie