アクセス解析+ヒートマップでユーザー行動を「見える化」する|WD ONLINE

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アクセス解析+ヒートマップでユーザー行動を「見える化」する 「アクセスログ」という「訪問者の声の集合体」を見える化する

ここまで見てきた通り、Webサイトの課題発見にはアクセス解析が重要だ。だが、目的に合わせて使いこなすには、それなりの知識と知見が必要となる。自分たちが見るべき値、必要とする数字はどこから得ればよいのだろうか。英語の教材やサービスを手掛ける(株)アルクでは、その解としてヒートマップツールを導入した。
Photograph:五味茂雄

 

「直感的にわかる」ツールを求めて

Webサイトのアクセス解析では、データという「数字」から意味のある「情報」を読み取っていく必要がある。語学教材を販売する(株)アルクも、以前から「Googleアナリティクス」(以降、GA)を導入していたものの、活用は限定的な範囲に留まっていたという。

「主に集客とサイト内回遊については分析を行っていましたが、アクセス解析に長けた者が少ないため、それ以上の活用ができていませんでした。そこで、パッと見てわかり、PDCAを回せるようなツールを探していました」(泉氏)

いくつかのツールを検討する中、同社ではヒートマップツール「Ptengine」の導入を決めた。

「導入にあたって期待したのは、アクセス解析に慣れていない者が課題を発見しやすくなるということです。たとえば、ECのページではどの要素がユーザーに響いているのか、それまで勘で対応していた部分が数値を元に視覚化されるようになり、非常にわかりやすいという声があがっています」(泉氏)

また、ベンダーの担当者によるサポートが手厚かったことや、複数の事業部がそれぞれ担当商材のページを制作する同社の体制において、各部署の担当者と問題点を共有する機能が運用に活かせそうと考えたこともポイントだったという。

(株)アルク
英語教材から通信講座、オンライン英会話スクール、社会人向け研修まで、英語・語学教育の総合カンパニー。アルクのWebサイトは、オンライン英和・和英対訳データベースの「英辞郎 on the WEB」やTOEIC対策問題など、無料コンテンツも充実している
01 アルクショップ(トップページ)
アルクでは事業部ごとに担当ページを持ち、運営を行っている。今回紹介するのは、そのうち通信講座の販売を行う「アルクショップ」。このほかに、「アルクオンライン英会話」「英辞郎 on the WEB Pro」などがある
02 通信講座一覧
アルクショップでは、スキル別・レベル別の各種通信講座や、同社が出版する書籍・雑誌などを取り扱っている。ECサイトの場合、このようにアイテム数が多いほうがヒートマップを効果的に運用できる

Ptengineのベンダーである(株)Ptmindの小原氏は、扱う商材の多いWebサイトのほうがヒートマップツールの導入効果を上げやすいと語る。

「ヒートマップとして見られる数が多いほうがいろいろなアイデアが出やすいため、商材が多いこと自体がその土台になります。また、『新規・既存訪問者』『コンバージョンした・しない』などのセグメント別や、商材による特徴的な違いなどが見えてくると、問題の所在を見つけやすくなると思います」(小原氏)

小原氏は、ツールの導入企業に対して、より効果的に活用するためには関係部署でなるべく多くの人にアカウントを付与して観察の視点を増やすこと、施策の内容とその前後の計測値を保管して共有することなども勧めているそうだ。

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掲載号

Web Designing 2016年5月号

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2016年4月18日発売 本誌:1,559円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

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業績向上、業務改善‥‥その必要性は十分感じているものの、どうもうまくいかない。他 部署の連携をはじめ、プロジェクトがうまく進まない。その理由には時間や予算、体制など のリソースや業界動向なども影響していますが、そもそも今、課題として掲げているポイントは、本当の課題なのでしょうか? 課題の設定が間違っていれば、望まれる改善は期待できません。本特集では、「解決すべき課題」へのたどり着き方やデジタルツールを利用した「気付き」発見法などを、実際に手がけた仕事をもとにWeb制作・企画のプロたちが実践している「今日から使える」問題発見・分析・解決法を紹介します。

 第一部 成果を上げたデジタル施策の問題【発見】【分析】【解決】術
 【Introduction】問題解決のための正しい「課題設定」
 #01 _Case Study   Yahoo!映画│Kaizen Platform KPIツリーとグロースハックによる定番サイトの変化
 #02 _Case Study   SPACE DESIGN COLLEGE│DONGURI シナリオを組み立てて学校の有益性を伝える
 #03 _Case Study   博報堂コンサラクション│博報堂アイ・スタジオ 発掘した「ゴールデンルート」で課題解決
 #04 _Case Study   カトウファーム│LIG “らしさ"を設計するための思考と施術
 #05 _Case Study   森工芸社│パイプライン 自社事業をアピールするための強みの見つけ方
 #06 _Case Study   VITALISM│ベースメントファクトリープロダクション 商機と成果を生み出すユーザー目線の商品設計
 #07 _Case Study   Benesse│ takram プロトタイピングが変えたものづくりの現場
 【Column】
  偉人たちの金言20   課題解決のための地頭を鍛える10冊

 第二部 「数字」が教える本当の課題
 【Introduction】 課題解決のためのデータ分析の3つのポイント
 #01 _Case Study   VASILY データ取得の重要性とその活用法
 #02 _Way of Thinking   アクセス解析ツールだけで「課題」は見つかるのか
 #03 _Case Study   アルク│Ptmind アクセス解析+ヒートマップで「見える化」する
 #04 _Case Study   ギャプライズ│Wantedly、Peach John ツールを組み合わせて課題発見から解決へ
 【Column】
  導入のためのデジタルマーケティングツール マップ   Excelを使ってデータを「見える化」しよう

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■ ビジネス・EC
 □ ECサイト業界研究
  プラットフォーム~オリジナルのエコシステムが成功に導く

 □ 月刊店舗設計
  収納の巣:価格競争に参加せず、提案型コンテンツで「考え方」を売る

 □ モバイルビジネス最前線
  Eight:スタートアップ企業の新規事業もたらすイノベーションと価値創造

 □ 知的財産権にまつわるエトセトラ
  法改正で広がる「商標」の世界

 □ Bay Area Startup News
  「UXが最も大きな企業価値」Airbnb CTO、Nathan Blecharczykが語る

■ マーケティング・プロモーション
 □ データのミカタ
  メッセージングアプリがビジネスを変える

 □ デジタルプロモーションの舞台裏
  “ぶっちゃけ精神”で勝負する森永製菓のWeb戦略

 □ 行動デザイン塾
  “行動フレーミング”で習慣化を狙え

 □ 解析ツールの読み方・活かし方
  データに基づいた戦略的Twitter 広告の実際

■ コラム
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