2016.06.08
アクセス解析+ヒートマップでユーザー行動を「見える化」する 「アクセスログ」という「訪問者の声の集合体」を見える化する
ここまで見てきた通り、Webサイトの課題発見にはアクセス解析が重要だ。だが、目的に合わせて使いこなすには、それなりの知識と知見が必要となる。自分たちが見るべき値、必要とする数字はどこから得ればよいのだろうか。英語の教材やサービスを手掛ける(株)アルクでは、その解としてヒートマップツールを導入した。
Photograph:五味茂雄
「直感的にわかる」ツールを求めて
Webサイトのアクセス解析では、データという「数字」から意味のある「情報」を読み取っていく必要がある。語学教材を販売する(株)アルクも、以前から「Googleアナリティクス」(以降、GA)を導入していたものの、活用は限定的な範囲に留まっていたという。
「主に集客とサイト内回遊については分析を行っていましたが、アクセス解析に長けた者が少ないため、それ以上の活用ができていませんでした。そこで、パッと見てわかり、PDCAを回せるようなツールを探していました」(泉氏)
いくつかのツールを検討する中、同社ではヒートマップツール「Ptengine」の導入を決めた。
「導入にあたって期待したのは、アクセス解析に慣れていない者が課題を発見しやすくなるということです。たとえば、ECのページではどの要素がユーザーに響いているのか、それまで勘で対応していた部分が数値を元に視覚化されるようになり、非常にわかりやすいという声があがっています」(泉氏)
また、ベンダーの担当者によるサポートが手厚かったことや、複数の事業部がそれぞれ担当商材のページを制作する同社の体制において、各部署の担当者と問題点を共有する機能が運用に活かせそうと考えたこともポイントだったという。
Ptengineのベンダーである(株)Ptmindの小原氏は、扱う商材の多いWebサイトのほうがヒートマップツールの導入効果を上げやすいと語る。
「ヒートマップとして見られる数が多いほうがいろいろなアイデアが出やすいため、商材が多いこと自体がその土台になります。また、『新規・既存訪問者』『コンバージョンした・しない』などのセグメント別や、商材による特徴的な違いなどが見えてくると、問題の所在を見つけやすくなると思います」(小原氏)
小原氏は、ツールの導入企業に対して、より効果的に活用するためには関係部署でなるべく多くの人にアカウントを付与して観察の視点を増やすこと、施策の内容とその前後の計測値を保管して共有することなども勧めているそうだ。