2016.05.02
厳しさは魅力である 学校の有益性が理解される伝え方 強みが伝わるシナリオを組み立てる
建築・インテリア専門の学校「SPACE DESIGN COLLEGE」のスマホサイトのリニューアルをDONGURIが手がけたところ、コンバージョンが2倍になったという。その秘訣となった、シナリオ作りの思考法をうかがった。
SPACE DESIGN COLLEGE http://www.space-design.co.jp/iphone/
DONGURI http://www.don-guri.com/
厳しさは魅力かハードルか
建築とインテリアのスキルを専門的に学ぶことができる学校「SPACE DESIGN COLLEGE(以下SDC)」は、現場で即戦力となる人材を育てるべく、厳しいカリキュラムを組んでいるのが特徴だ。入学資格は、20歳からとなっている。その理由について、インテリアデザイナーで同校専任講師の野中大道氏は、こう話す。
「19年前にこの学校を創立した初代校長は、いったん就職したあとに夜間の専門学校に通いながら、建築を勉強した人でした。45年くらい前の話なので、当時は学校もスパルタで、200~300人いた同級生が、卒業時には40人ほどになっていて。そのとき最後まで残っていたのがほとんど20~30代の社会人経験のある人で、18歳で入学した人たちは、耐えきれなくてやめていったそうです。自分が学校をつくるときにはその光景は見たくないと考え、ある程度仕事の方向性が見えてきたであろう20歳以上からということにしました。通常、建築やインテリアの道に進もうと思ったら、大学の建築学科か美大にしか受け皿がありません。いったん社会人になった人には大学生と一緒に学び直すことに抵抗を持つ方もいますし、建築とインテリアの両方を一度に学べる学校というのも、他にあまりないんです」(野中氏)
年齢制限によって結果的に「絶対に建築やインテリアの仕事に就くぞ」という強い目的意識を持つ人が集まるようになった。
「うちは、1~2年間でプロのノウハウを教えますという方針なので、けっこう厳しいですよ。ただ、きちんとサボらずついてくれば、独り立ちできるくらいの教育を施します。中途半端な気持ちで入学しようとしている人には、どうぞ入学してくださいということは言いません」(野中氏)
リニューアル以前のWebサイトでは、そうした学校の方針を訴求したものになっていたという。それは実践的な教育が受けられるという魅力が伝わる一方で、ハードルの高さを感じさせてしまってもいた。
厳しさを魅力だと気付かせるシナリオづくり
実はそれまでのWebサイトは、野中氏自身が制作していた。
「サイト制作ができる人間が自社にいるというのは、難しいところがありまして。社内のさまざまな部署のスタッフから『ここをこうしてください』という意見が来るんです。別にWebデザインを理解している人たちではないので、トータルで考えたデザインを、どんどん改悪していく結果になってしまいました。僕が授業に入る回数が増えて忙しくなったというのもありますが、またそうなるのが嫌だったので、外部の制作会社さんに依頼しようということになりました。DONGURIさんとは面識はなかったのですが、お仕事は知っていてデザインのファンだったので、お願いしました」(野中氏)
そうして、サイトアクセスの8割を占めるというスマホサイトのリニューアルを、WebプロダクションのDONGURIが手がけることになった。その結果、コンバージョンとして設定していた資料請求や説明会参加申し込み数が2倍になったという。いったい、どのような課題発見・解決を行っていったのだろうか。