2016.05.06
目先の指標に惑わされない! 発掘した「ゴールデンルート」で課題解決 強みが伝わるシナリオを組み立てる
課題解決とは、数字の伴う「成果」を思い浮かべがちだ。その実現は目指しながら、成果を通じて得られた体験を、他の状況でクライアントが応用できるようになること。それが博報堂アイ・スタジオが考える解決の姿だ。
博報堂コンサラクション http://consulaction.hakuhodo.co.jp/
博報堂アイ・スタジオ http://www.i-studio.co.jp/
ビジネスゴールのためのコンサルティング事業部
博報堂アイ・スタジオといえば、Webサイト制作を中心に統合的な視点でデジタルマーケティング全般をプロデュースするプロダクションであり、博報堂DYグループのデジタル制作会社である。社内には、より時代のニーズに対応した開発/制作を可能にする事業部としてコンサルティング事業部が存在。ユーザーエクスペリエンス(UX)の専門家などが集うプロフェッショナル集団で、サイトのUI改善にとどまらない、クライアントの体制変更や意識改革を含めたビジネスゴールを実現する部門だ。本事例の「博報堂コンサラクション」は、コンサルティング事業部が現在も継続的に改善フローをまわす。
そして、博報堂コンサラクションとは、博報堂が持つ統合マーケティング・マネジメントソリューションについて幅広くクライアントに情報を届けていくポータルサイト。例えば、情報を届ける手段にセミナーがあり、その申し込みや関連情報データのダウンロードがサイト内でできる仕組みを持つ。会員数の増加は、博報堂グループへの業務依頼の可能性を増やすことになる。そこで、ビジネスゴールは会員数の1,500人増加と設定され、コンサル業務がスタートした。
なぜ「チームの一体感」が課題解決に必要なのか?
本案件に大里和史氏がかかわって約1年。サイトのUIは以前から様変わりし、セミナーの申し込みフローも大きく改善、着実に会員数も増えているという。まだ改善の途中という前提ながら、大里氏は本案件での取り組みの意義を、「PDCAの仕組みづくり」や「体制(仕組み)の再構築」だと語る。これらを聞いただけでは、難解でピンとこないかもしれない。では、具体的にどこから手をつけていったのか?
「どの案件でも、まずは徹底したヒアリングからスタートします。そして、クライアントの『発言』と実際の『行動』の矛盾を突き止めます。矛盾やズレに問題点が潜んでいることが少なくないからです。そうしたヒアリングを通じて、クライアントとコミュニケーションを深めること。それがはじめの一歩です」(以下、大里氏)
とはいえ、ここでのクライアントは博報堂。相手はマーケティングの知識を蓄えた辣腕どころといえる相手に、どう納得させながら、進めることができたのか? ここで大里氏は「スモールスタートのススメ」を説く。