2015.09.10
One's View コラム Web Designing 2015年9月号
[バズ施策・#HandsOff]悶々としたら手を動かす
4人のナビゲーターが、それぞれ自分のジャンルから一つの対象を選んで毎月紹介する「ナビゲーターズコラム」。選んだ対象の目の付け所や特徴など、わかりやすく解説してくれます。
はじめまして! 最近、仕事のオーダー大半が「バズらせてくれ!」の眞鍋海里です。新たにコラムを担当することになり、編集部から届いたテーマもバズ施策。「バズるだけじゃ意味がない、ワークさせなきゃ意味がない」が信条なので、広告的にワークさせる「アイデア」、そして大きく拡散させるための「バズ」という双方から語っていきたいと思います。
初回は、「#HandsOff」。カンヌ・ライオンズ 2015でGOLDを受賞した施策です。仕掛けたのは、高画質ポルノフィルムのストリーミングを提供するMarc Dorcel。アイデアは超絶シンプルです。高画質動画の良さを伝えるために、自社の動画を無料開放。ただし“両手はお預けね?”。そう、両手でキーボードを押している間しか視聴できない仕組みなんです。無料につられて動画を観る→悶々とする→解消したい→ストレスを解放→はい、課金!(笑)
この施策、アイデア自体でシェアしてしまうほどの強度がありますが、“バズ”の観点から見るとどうでしょう。バズったコンテンツは、どう興味を持たせるのかという「入口」と、どうシェアさせるのかの「出口」の設計がしっかり考えられています。この場合の入り口は「エッチな動画が無料で閲覧できる」ことで十分。人間の三大欲求にかかっているので最強です。キモは、出口の部分。注目すべきは、#HandsOffの「#」の部分。コンテンツ名をハッシュタグ形式にしたところです。おそらくユーザーは、両手お預け状態を回避すべくいろいろと策を練ってきます。それをこのハッシュタグで面白おかしく語ってちょうだい、と促しています。案の定、ユーザーはキーボードを足で押したり、猫の手を借りたり‥‥と、施策はバズっていきました。
こんな素晴らしいアイデアを目の当たりにするとプランナーとしては悶々としますね。黙って手を動かしまーす!