2015.12.25
SEOやリスティング広告対策に! 事前にユーザーの検索行動がわかる「キーワードツール」活用講座(2/3) Chapter 02: キーワードツールの特徴を活かした、課題解決のプロセス
キーワードツールはGoogleの「キーワードプランナー」が代表的だが、他にも目的によって最適なキーワードツールが存在する。それらの特徴を知りながら、キーワードツールを使った課題解決のプロセスを学んでいこう。
新しいキーワードを発見したい場合
P064でも触れた通り、キーワードツールには2つの側面があり、それらを使い分ける必要がある(01)。
新たなキーワードを見つけたいケース(仮説発見)の場合、代表的なツールが「goodkeyword」と「keyword related」の2つだ。どちらも、GoogleやYahoo! JAPANの関連検索キーワードを独自にデータベース化しているツールで、キーワード(例:旅館)に関連した検索ニーズを把握するのに便利だ。これらのツールでは、なるべくユーザーの検索意思が曖昧だと思われるキーワードで多くの関連キーワードを抽出するという使い方がおすすめだ。
Googleやヤフーが提供するキーワードツールは、主な目的が広告出稿の促進だ。得られるデータがクリック単価の大きいものに偏る傾向があり、ニッチなデータを取得しづらい。その点、goodkeywordなどは「大分 露天風呂 旅館」と絞り込まずに「旅館」とだけ入力すると、旅館に関連するワードをリスト表示するので、多くのアイデアが得られやすい。
キーワードのボリュームを知りたい場合
キーワードの規模感を知りたい場合、関連検索ニーズを調べるのに長けたこれらのツールでは、ニッチなワードも等しく表示されてしまうために、どれくらいのユーザーが関心を持っているのかという定量的な結果までは出てこない。そこで役立つのが、01にある3社のキーワードツールだ。これらのうち、よりデータが実際の数字に近く、細かいキーワードの調査もしやすいのはGoogleの「キーワードプランナー」で、モバイルのデータを取得したいならヤフーの「キーワードアドバイスツール」を優先的に使うといいだろう。また、Googleもヤフーもアカウントを取得すればフリーで利用できるが、ヤフーの場合は「Yahoo!プロモーション広告」のアカウントを取得する必要があり、この作業が多少煩雑だ。手軽な利用ならGoogleのキーワードプランナーに分がある。
「キーワードウォッチャー」は、gooや@nifty、エキサイトなど国内のポータルサイトのデータを利用している。こういったポータルサイトの利用ユーザーは一般に、「購入したPCを初期設定のまま使う層」という仮説が立てられるため、インターネットの情報感度があまり高くないユーザーが注目するキーワードを調査するときに役立つといえる。ただし、スマートフォンのデータが見られず、利用回数によって有料になる点はデメリットだ。
次のページから、4段階に分けてキーワードツールを活用した課題解決のプロセスを解説しよう。
コンテンツを生成するまでの過程
4つのプロセスは次のとおりだ。
1. ユーザーのニーズを調査
2. キーワードの定量調査
3. データをグループ分け
4. グループを評価
まず「1」では、goodkeywordなどで単一のキーワード検索を行い、関連するキーワードを取得する。次に「2」で、「1」で得た関連キーワードの定量的な検索数をキーワードプランナーなどで調査する。「1」と「2」を掛け合わせて出てきたキーワードについて分類していくのが「3」だ。たとえば、「旅館」に関して絞り込んだ場合、03にある表のようなデータを作成できる。その際に、「ランキング」「旅館名」「エリア」といったタグづけをしていく。
そして最後に、グループ(タグ)ごとに検索数をまとめ、これらのグループを評価する(「4」)。
主な評価の基準は下記の4点だ。
A. ボリュームがあるか
B. マッチング度は高いか
C. 競合はいるか
D. コンテンツをつくるコストの高低
Aは、検索数を見て確認する。
Bは、そのキーワードでユーザーが訪問したときの相性を考える。たとえば「格安」や「激安」といったキーワードは、どの業界/業種でも根強い人気はあるものの、高品質で高価格帯のブランドや会社にはマッチしない。また、比較やランキングに関係するキーワードは、ポータルのような情報サイトのビジネスモデルなら相性は良いが、ポータルサイトに情報を提供する立場の会社(この例では旅館)にとってはマッチしない。「旅館ランキング」と検索するユーザーは、さまざまな旅館が一定の観点から中立的に比較された情報を求めているからだ。このように、キーワードが本サイトの目的や方向性と合致しているかを判断する。
Cは、AやBで検証できたキーワードを検索エンジンで検索してみて、1ページ目に表示されるサイトのタイトルタグやコンテンツの良し悪しを確認しよう。特に上位にランクインしているサイトにキーワードがどう関連づけられているか、またはコンテンツの量と質について、実際にサイトを訪問して、目視で定性的にチェックをする。
Dは、Cまでのプロセスで出てきた「結果につながりやすいキーワード」の中から、低コストでコンテンツ化できそうなものを抽出する。