WD Online

集中企画一覧 Web Designing 2016年1月号

SEOやリスティング広告対策に! 事前にユーザーの検索行動がわかる「キーワードツール」活用講座(1/3) Chapter 01:「キーワードツール」で何ができるのか?

「キーワードツール」は、インターネットにおける検索行動量を手早く調査できるツールだ。つまり、あるキーワードが「どれくらいのユーザーにリーチするのか」を事前に推定できるというもの。ここではツールの概要とともに、その活用術について解説する。

まず「キーワードツールでできること」を把握しよう。そのうえで、どれほどインパクトのある成果を引き出せるのか、事例とともに見ていきたい。

 

テレビ視聴率のようなデータがわかる

 

64157185ac09fa86a0b37d12ca3f5124.jpg
01 Googleが提供する「Google Adwords キーワードプランナー」。特定のキーワードの定量調査のほかに、関連検索キーワードの検索ボリュームの把握もできる
https://adwords.google.co.jp/KeywordPlanner

 

「キーワードツール」では、あるキーワードを検索すると、そのワードが「どれほどのユーザーが注目しているのか」「関連する注目度の高いワードが何か」「リスティング広告での競合度はどれほどか」などのデータを取ることができる(01、02)。たとえば、テレビの視聴率にあたるデータが入手できると考えればいい。広告主がテレビの視聴率を重要視するのは、どれくらいの人に広告が行き渡っているのかを試算できるからだが、そうしたデータが簡単な操作で得られるのがキーワードツールだ。

 

7fa20d2708d2343a5bf0277df9c820a7.jpg
02 「Yahoo!プロモーション広告:キーワードアドバイスツール」。検索ユーザーの性別、年代、エリア、曜日などのユーザーの属性(デモグラフィック)データの収集も可能
http://marketing.yahoo.co.jp/service/promo/

 

この集中企画では、特に二つの側面にフォーカスしていきたい。一つが、キーワードに関連してどんな単語に人気があるのかを推薦する「仮説発見の価値」という側面。もう一つが、“特定のキーワードがどれほど調べられているか”がわかる「市場検証の価値」についてだ。

 

キーワードツールでPVが5倍も増加

まずは、実際の活用事例を交えて、キーワードツールの使い方や、もたらされた成果について見てみよう。

筆者のクライアントのなかに、宿泊施設を検索できるという某Webサービスがあり、検索経由の月間ページビュー(PV)を1年間で約80万から約400万にまで改善したというケースがあった。この事例が成功した理由は、「キーワードの発見」であり、それをもたらしたのがキーワードツールの利用方法にあった。

 

cff555418e28c941d84b06826b75b86d.jpg
03 ここでは、実際にあった事例を参考に、ダイジェスト的な形で手順を解説していこう。最初に「仮説発見」の作業をスタート。「goodkeyword」や「keyword related」を使って新規キーワードの検索をかけてみる。すると、関連ワードがリスト形式で表示されgoodkeyword(左)
keyword related(右)

 

まず、ユーザーが宿泊施設を探す際に使うキーワードは何だろう? たとえば、「ホテル」「旅館」などが思い浮かべやすい。この事例でもすでにそうした単語で検索流入を増やす対策を行っていたが、成果は頭打ちになっていた。

そこでキーワードツールを使って、ユーザーニーズのある他の単語がないかを調べてみることにした(03)。すると、「旅館 ランキング」「熱海 旅館」「旅館 ランキング 秋田」「格安 旅館」などのニーズがあることがわかり(04)、これらの関連性をもとに、4つの観点から再検討することにした(05)。

 

2dbeed250f001c2bde5b18c2973023cd.jpg
04 次に「仮説検証」。ニーズの有無を検証するのに長けた03のツールは、定量的な測定はできないため、01や02のツールでボリューム調査をフォローする。各ツールの詳細は次ページを参照
2f278244db07e2e04e7121c8b15d7dcb.jpg
05 03と04を踏まえて、データを分類した表。集めたキーワードデータをカテゴリー化し、各観点で評価。あとは、本文で挙げた4つの観点から、後発でも有利になる可能性の高いカテゴリーを判断して、コンテンツを用意。ここでは「3」と「4」に着目

1. コンテンツをつくるコストは低いか?
2. 予約につながりやすそうか?
3. ある程度の検索ボリュームがあるか?
4. 競合サイトにコンテンツはあるか?

 

あとは、それぞれの観点にかなったキーワード(の組み合わせ)かどうかを判定していった。その結果、「地域×旅館」「地域×旅館×ランキング」「地域×旅館×条件」というワード群が、先の4つの観点に当てはまるキーワードの組み合わせだと判断。これらに対応したコンテンツをつくることとした。これらは、1つのテンプレートをつくれば、さまざまなキーワードにもあわせたコンテンツが生成しやすくなり、コストパフォーマンスが高いというメリットもある。たとえば、「東京×旅館×ランキング」のテンプレートがあれば、「神奈川×旅館×ランキング」というコンテンツもつくりやすいということだ。ツールで得られた根拠に基づくコンテンツを提供すると、徐々に検索経由の訪問者数は増えていき、1年後に大きな果実(PVの5倍増)を手にすることができた。

つまり、訪問者を増やすためには、「人気のあるキーワードの組み合わせを特定し、それらのキーワードごとにユーザーの課題を解決するコンテンツを用意すればいい」というシンプルな結論にたどりつく。ただし、この方法はコンテンツの企画を立てやすくするが、本当にサイトのコンセプトとマッチしたコンテンツとなるのかを判断する必要がある。マッチしていないコンテンツを大量につくっても、ユーザーが離れていくだけだからだ。

 

9d403cc392bde4b7a106a4841367ee6d.jpg
黒須敏行
(株)アルコ取締役。過去10年間にわたり、ベネッセやラクスルなどをはじめとした各企業による大規模サービスのSEOコンサルティングに従事。「女性向けCGMサイトの検索流入数を3倍増加」「検索経由の年商を新規に2億創出」などの実績を出す。http://www.alco.co.jp/

掲載号

Web Designing 2016年1月号

Web Designing 2016年1月号

2015年12月18日発売 本誌:1,559円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

グロースハック/「キーワードツール」活用講座

サンプルデータはこちらから

■ 特集:今日から始める“成長戦略”グロースハック
 世界の急成長サービスが特集 実践するデジタル時代のマーケティング手法

近年、「グロースハック」という言葉を耳にすることが増えてきました。しかし、その本当の中身を正しく理解している人はあまりいないようです。チップス? テクニック? スタートアップ企業向けの秘密のノウハウ? いえ、そうではないんです。グロースハックとは、これからのデジタル時代に必須の「マーケティングの考え方」のことなのです。今回はさまざざな角度からグロースハックの考え方を紹介していきます。

■ 集中企画:ネットビジネスを有利にするための「キーワードツール」活用講座
 SEOやリスティング広告対策に! 事前にユーザーの検索行動がわかる

「キーワードツール」は、インターネットにおける検索行動量を手早く調査できるツールです。つまり、あるキーワードが「どれくらいのユーザーにリーチするのか」を事前に推定できます。ここでは、ツールの概要とともに、その活用術について解説します。

■ WD SELECTION
 WDが選ぶ注目のデジタルコンテンツ
GREEN NAME/LIFE IS A GIFT/ORCHESTRE DE PARIS/KAI FACT magazine/Deja vu/くばら あごだしチャレンジ/キリンメッツ スター・ウォーズ/google STARWARS/LACOSTE-F/W OUTWEAR/Christmas Express/めぐみ野 スペシャルコンテンツ「トマトになった男の子」/Japan Sumo Cup/沖縄戦 全記録|NHKオンライン/Typetone

■ ビジネス・EC
 □ ECサイト業界研究
 カンバセーションコマース:Facebook を利用した会話によるEC

 □ 月刊店舗設計
 ULYSSES:適切な場所での情報発信がビジネスの可能性を広げる

 □ モバイルビジネス最前線
 MYALO:禅×脳科学によるストレスコントロール「マインドフルネス」をアプリで学ぶ

 □ 知的財産権にまつわるエトセトラ
 作者以外にも著作権は認められる

 □ Bay Area Startup News
 画像やテキストを判別して自動でサイトをつくる「The Grid」

■ マーケティング・プロモーション
 □ サイト改善基礎講座
 ユーザーインタビューで有効なコンテンツを見定める

 □ ハギハラ総研
 日本人の半分はまだECを利用していない

 □ デジタルプロモーションの舞台裏
 ビジネス展開を見越し運用体制の強化を図った“マーケティングツール”サイト

 □ 行動デザイン塾
 ブームは「なじみの行動」が火付け役に

 □ 課題解決のためのUI実装講座
 カテゴリーが多いスマホサイトで役立つ「スワイプ対応タブメニュー」

 □ 解析ツールの読み方・活かし方
 買収したサイトを最小限のコストでリノベーションする

■ クリエイティブ・コラム
 □ ナビゲーターが選ぶ注目のデジタルコンテンツ
 [バズ施策]誰のためにつくるのか?: John Lewis Christmas Advert 2015 眞鍋海里
 [デジタルプロモーション]「ノーデジタル」の拡散:The Gun Shop 築地 Roy 良
 [Webサービス]上質な表現の「場」:Medium 仲暁子
 [IoT]なんとなくの心地よさ:kizuki. 神谷憲司

 □ モノを生むカイシャ
 1→10drive:「体験」をデザインするプロ集団

 □ 清水幹太の「Question the World」
 Julia Kaganskiy:美人マッドサイエンティストによる、やばい実験計画

 □ ツクルヒト
 榊原澄人:「フレーム」を超えて動き出す世界

 □ 最果タヒの「詩句ハック」
 第19回 あみだく詩゛

 □ デザインにできることMonologue
 Vol.143 パブリッシュ

 □ エキソニモのドーン・オブ・ザ・ボット
 コンピュータに「嗅覚」を与えるチップがインターネットのニオイ体験を可能に!?

■ インフォメーション
 □ Topics
 突破クリエイティブアワード2015/ココノヱPresents らくがきミュージアム/第19回 文化庁メディア芸術祭/BB-8 by Sphero

 □ Movement&News
 水族館+動物園+美術館?!「NIFREL(ニフレル)」オープン!/「スター・ウォーズ」のキャラクターや乗り物を使った作品を発表するフランス人写真家の日本初個展/数万枚もの写真をコラージュして1枚の地図をつくりあげる西野壮平 ほか
 [アドテック東京 2015]属性から個人へ。エンゲージメントを高めるトレンド/[Adobe Falsh Professional]時代とユーザーの潮流にあわせ「Animate CC」として新生/Twitter Japan担当者が語るTwitter広告成功のために必要なこと ほか

編集部からのおすすめ記事

この記事を見た人はこんな記事も見ています