これから始めたい人のための「LINE@」徹底ガイド(1/5)|WD ONLINE

WD Online

集中企画一覧 Web Designing 2015年9月号

これから始めたい人のための「LINE@」徹底ガイド(1/5) 誰でも使えるLINE@をマーケティングツールとして使いこなす!

「LINE@」は、誰でも使える公開型アカウントだ。無料でも利用でき、メルマガに代わるマーケティングツールとして期待されている。ここでは、その特徴を整理しながら、ビジネスでの活用方法を紹介していこう。まずは、LINE@の特徴を説明していこう。

「LINE@」とは何か?

2012年12月に開始された「LINE@」は、世界の月間利用者数2億人以上、国内の登録者数5,800万人以上に活用されるコミュニケーションプラットフォーム「LINE」において、「友だち」登録されたユーザーに情報の一斉配信などができるサービスである。

ここ最近、LINE@の広がりが目立つ要因の一つに、誰でもアカウントを開設できる点が挙げられる。LINE@が登場した当初は、実店舗や施設があることがアカウント開設の条件だったが、2015年2月より誰でもアカウントを作成可能となり、よりオープンなコミュニケーションツールとして活用の幅が広がった(01~03)。現在、店舗や施設のほかに、メディア、ECサイト、スポーツチーム、アーティスト、ブロガーなど、さまざまなジャンルのLINE@アカウントが開設されている。また、無料版の存在や、有料版でも月額5,400円~といった価格設定が、導入障壁の低さとなっている。

01 LINE@の一覧より。LINE@関東の一覧ページ
02 LINE@のアカウントを開設するには、専用のスマホアプリをインストールしよう。メッセージの作成などはこのアプリから簡単に行える

 

03 LINE@公式サイト http://at.line.me/jp/

 

LINE@の基本となる3つの機能

LINE@では、主な3つの機能をまず理解しておきたい。1つ目が、前ページでも触れた「メッセージの配信」だ。このメッセージは、LINE@アカウントを「友だち」として追加したユーザーの端末にプッシュ型で配信できるため、開封率が高い(04)。2つ目がユーザーからの問い合わせに対して個別に返信ができる「1:1トーク」機能だ(05)。これは、予約や在庫確認など、プライベートにやりとりしたいメッセージを個別でできるという機能。最初にユーザー側からLINE@アカウントにメッセージを送信すると、1:1のやりとりが開始される。

3つ目がプル型の情報配信方法として、「お店ページ」と「アカウントページ(Web経由のアクセスは不可)」、「タイムライン」が用意されていることだ。お店ページは、住所やサービス内容など基本情報を掲載できるほか、Web経由でのアクセスにも対応(06)。タイムラインは、投稿するとユーザーからコメントや「いいね」などの反応を得ることができる(07)。メッセージを配信するほどではない情報をタイムラインに掲載する、といった使い分けも可能となる。

04 ユーザーがLINE@アカウントを「友だち」に追加すると、ユーザーの端末にメッセージが届くようになる
05 「1:1トーク」は、個別の問い合わせ対応に便利。予約受付などにも利用できる

 

06 「カレコ・カーシェアリングクラブ」のお店ページは、住所やサービス内容などの情報がきちんと用意されている(P069に関連情報)
07 東進ハイスクールのタイムライン。「今日は○○の日」という話題をきっかけに、受験生の豆知識につながる文章の後にお知らせを入れるなど、ターゲットを意識した巧みな投稿が特徴的

 

LINE公式アカウントとの違い

そもそも、LINE@とLINE公式アカウントは、何がどう違うのだろうか。LINE公式アカウントも、ユーザーに対してメッセージを配信する基本機能を搭載するが、あくまで大企業や芸能人向けに用意されている。導入の初期費用は800万円~、月額費用250万円~と高価格だ。一方で、LINE@の利用料金はメッセージの配信数の従量課金となっている。友だちの数が10万人を超えてくると、メッセージの配信回数によっては公式アカウントの費用と変わらなくなる。

また、LINE公式アカウントでは、LINEが提供するAPIと企業が持つCRM(顧客関係管理)などのユーザーデータを組み合わせて、個別にメッセージをプッシュ配信したり、双方向のコミュニケーションをする1to1マーケティングなど一歩進んだ利用が可能であるが、LINE@はそれらの機能、サービスが用意されていない。しかし、メッセージ配信などは公式アカウントと同様にできるため、まずはLINE@から始めてみたい。

 

リピーター増に適したLINE@

LINE@は新規顧客の獲得にはあまり向いていない。店舗やブランド、メディア、アーティストなど、すでに接点があるユーザーとのつながりを強化するのに向いたツールであり、リピーターとなってもらうのに適している。たとえば、新規で来店した顧客に対してLINE@アカウントを友だちに追加してもらうことで、LINE@経由で店からの働きかけができるので、次回の来店のきっかけ作りに活かせる。これはリアル店舗に限らず、オンラインショップやオンラインメディア、FacebookなどのSNSなどへのアクセスにも有効で、ハブとしてLINE@を活用するといいだろう。

 

Text:深谷歩
(株)深谷歩事務所代表取締役。ソーシャルメディアやブロクを活用したコンテンツマーケティング支援が得意。書籍、Webメディア、雑誌などでの執筆活動に加え、講演なども行う。 http://officefukaya.com/

掲載号

Web Designing 2015年9月号

Web Designing 2015年9月号

2015年8月18日発売 本誌:1,559円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

ECビジネス、再強化・最強化/LINE@超入門

サンプルデータはこちらから

■ 特集:ECビジネス、再強化・最強化
 越境、O2O、オープン化、キュレーション、メディア化‥‥だけじゃない!

■ 集中企画:これから始めたい人のための『LINE@』徹底ガイド
 リアル店舗やECショップに最適! クーポンなども使える話題のマーケティングツール

■ WD SELECTION
 WDが選ぶ注目のデジタルコンテンツ
  倉敷中央病院 研修医実技トライアウト/ちゃんりおメーカー/オクリモヨウ/あいうえお作文RAP プロジェクト/集中.jp/360° Trip in Sunset Beach Corona Extra/Nike ? Ge? Kendini/KAMABOKO ROAD TO 1000 900周年 祝っている場合じゃない。/北千住デザイン

 ナビゲーターが選ぶ注目のデジタルコンテンツ
  眞鍋海里:[バズ施策]悶々としたら手を動かす:#HandsOff
  築地 Roy 良:[デジタルプロモーション]メイクを変えるきっかけ:Makeup Genius
  仲 暁子:[Webサービス]老舗の羊羹のように:Trello
  神谷憲司:[IoT]Less is moreの精神で:Geoph

■ デジタルプロモーションの舞台裏
 6年の歳月が生んだ、オロナインのWeb動画プロジェクト

■ モバイルビジネス最前線
 Yahoo! JAPANスマートフォントップページ:情報は「読む」から「見る」時代へ

■ モノを生むカイシャ
 いま注目したい制作会社の強みを探る:Goodpatch

■ ECサイト業界研究
 越境EC:海外市場で成功するために乗り越えるべき5つの壁

■ 行動デザイン塾
 「行動デザイン」って何?

■ サイト改善基礎講座
 自社のシナリオ磨きは、恋愛術の成長のごとし

■ 課題解決のためのU実装講座
 一覧ページにおけるグリッドレイアウトのUI表現

■ 解析ツールの読み方・活かし方
 コンバージョンにつながるアクセス向上の勘所

■ Bay Area Startup News
 メインはシリコンバレーからサンフランシスコへ。革新を起こすスタートアップが生まれる土壌とは?

■ 知的財産権にまつわるエトセトラ
 よくある家族写真に著作権は発生するのか?

■ 清水幹太の「Question the World」
 Yancey Strickler(Kickstarter 共同創業者・CEO):超文系こじらせ兄ちゃんがつくりたかった「道具」

■ ツクルヒト
 小林和史(美術家):一枚紙で生む昆虫に宿る世界の「切り口」

■ Column
 ハギハラ総研:10年でメディア環境はどう変わったか
 最果タヒの「詩句ハック」:第15回 詩ェイク
 デザインにできることMonologue:Vol.140 花の力
 エキソニモのドーン・オブ・ザ・ボット:誰の呼びかけにも応えるシリ軽「Siri」に人はどう向き合えばいい?