2015.09.16
これから始めたい人のための「LINE@」徹底ガイド(1/5) 誰でも使えるLINE@をマーケティングツールとして使いこなす!
「LINE@」は、誰でも使える公開型アカウントだ。無料でも利用でき、メルマガに代わるマーケティングツールとして期待されている。ここでは、その特徴を整理しながら、ビジネスでの活用方法を紹介していこう。まずは、LINE@の特徴を説明していこう。
「LINE@」とは何か?
2012年12月に開始された「LINE@」は、世界の月間利用者数2億人以上、国内の登録者数5,800万人以上に活用されるコミュニケーションプラットフォーム「LINE」において、「友だち」登録されたユーザーに情報の一斉配信などができるサービスである。
ここ最近、LINE@の広がりが目立つ要因の一つに、誰でもアカウントを開設できる点が挙げられる。LINE@が登場した当初は、実店舗や施設があることがアカウント開設の条件だったが、2015年2月より誰でもアカウントを作成可能となり、よりオープンなコミュニケーションツールとして活用の幅が広がった(01~03)。現在、店舗や施設のほかに、メディア、ECサイト、スポーツチーム、アーティスト、ブロガーなど、さまざまなジャンルのLINE@アカウントが開設されている。また、無料版の存在や、有料版でも月額5,400円~といった価格設定が、導入障壁の低さとなっている。


LINE@の基本となる3つの機能
LINE@では、主な3つの機能をまず理解しておきたい。1つ目が、前ページでも触れた「メッセージの配信」だ。このメッセージは、LINE@アカウントを「友だち」として追加したユーザーの端末にプッシュ型で配信できるため、開封率が高い(04)。2つ目がユーザーからの問い合わせに対して個別に返信ができる「1:1トーク」機能だ(05)。これは、予約や在庫確認など、プライベートにやりとりしたいメッセージを個別でできるという機能。最初にユーザー側からLINE@アカウントにメッセージを送信すると、1:1のやりとりが開始される。
3つ目がプル型の情報配信方法として、「お店ページ」と「アカウントページ(Web経由のアクセスは不可)」、「タイムライン」が用意されていることだ。お店ページは、住所やサービス内容など基本情報を掲載できるほか、Web経由でのアクセスにも対応(06)。タイムラインは、投稿するとユーザーからコメントや「いいね」などの反応を得ることができる(07)。メッセージを配信するほどではない情報をタイムラインに掲載する、といった使い分けも可能となる。


LINE公式アカウントとの違い
そもそも、LINE@とLINE公式アカウントは、何がどう違うのだろうか。LINE公式アカウントも、ユーザーに対してメッセージを配信する基本機能を搭載するが、あくまで大企業や芸能人向けに用意されている。導入の初期費用は800万円~、月額費用250万円~と高価格だ。一方で、LINE@の利用料金はメッセージの配信数の従量課金となっている。友だちの数が10万人を超えてくると、メッセージの配信回数によっては公式アカウントの費用と変わらなくなる。
また、LINE公式アカウントでは、LINEが提供するAPIと企業が持つCRM(顧客関係管理)などのユーザーデータを組み合わせて、個別にメッセージをプッシュ配信したり、双方向のコミュニケーションをする1to1マーケティングなど一歩進んだ利用が可能であるが、LINE@はそれらの機能、サービスが用意されていない。しかし、メッセージ配信などは公式アカウントと同様にできるため、まずはLINE@から始めてみたい。
リピーター増に適したLINE@
LINE@は新規顧客の獲得にはあまり向いていない。店舗やブランド、メディア、アーティストなど、すでに接点があるユーザーとのつながりを強化するのに向いたツールであり、リピーターとなってもらうのに適している。たとえば、新規で来店した顧客に対してLINE@アカウントを友だちに追加してもらうことで、LINE@経由で店からの働きかけができるので、次回の来店のきっかけ作りに活かせる。これはリアル店舗に限らず、オンラインショップやオンラインメディア、FacebookなどのSNSなどへのアクセスにも有効で、ハブとしてLINE@を活用するといいだろう。

- Text:深谷歩
- (株)深谷歩事務所代表取締役。ソーシャルメディアやブロクを活用したコンテンツマーケティング支援が得意。書籍、Webメディア、雑誌などでの執筆活動に加え、講演なども行う。 http://officefukaya.com/