2015.09.11
「あなたのサイズ必ずあります」。なぜ白鳩は顧客の要望に確実に応えられるのか●特集「EC再強化」 [INTERVIEW 01]10,000点の取り扱いアイテムをさばくオペレーション
1974年に創立した白鳩。もともと“町の小さな下着屋さん”だった同社だが、ECへの出店を期に一気に全国での知名度を上げた。特に女性からの圧倒的な支持を得ているのだが、その理由の一つは、1万に迫ろうかという、驚異の取り扱いアイテム数だ。彼らはどんなふうにオペレーションをしているのだろう。
Photo:梅田彩華
驚異の品揃え。圧倒的な支持を得る白鳩のシステムとは?
白鳩が本社を構える京都府伏見。同社の副社長でWeb事業を担当する池上正さんに案内されたのは、見渡すほどに広い、ワンフロアのオフィスルームだった。
「2011年に建てました。人もモノも増えてきたので、少しでも大きなところへ、と考えてのことです」
このオフィスの様子から、実は、白鳩という会社のECにおける成功の理由を読み取ることができるのだが、それについてはおいおい触れることとして、まずはインナーウェアという商品の独特の性格を聞いておきたい。
「よくアパレルと比較されるのですが、実はまったく別のものなんです。例えばアパレルには流行廃りがあって、当たり外れが激しいのですが、下着はそれが少ない。外からは見えない、というのがその理由でしょうね。またアパレルと比べると、とにかくサイズやカラーが多いという特色がありまして、ブラジャー1つの商品で、最低でも12種類、多いものだと色違いを含めて54種類とか、そういう膨大な数になるんです。しかも、売れるサイズのみに絞り込むといったこともしにくいんです」
インナーウェアは、典型的な「少量多品種」の商品なのだ。
「しかも単価が安く、利益も薄い。手間がかかる割には実入りが少ないというわけです。とはいえ、そういった条件のもと、お客様の要望にしっかりと応えていければ生き残ることはできるのではないか思っています」
現在のECでは、以前とは比べものにならないほどにスピーディな出荷対応が求められる。白鳩では、ECサイトの上部に、常に出荷のタイミングを示す表示を掲出しているが、どう管理しているのだろうか。
「あれは僕がこだわっているところです。お客様と同じ視座で見た場合に、いつ届くかというのはもっとも大事な要素の一つ。大事な情報はやはり目立つところになければ、と」