2015.09.12
接客の質を高める「サプライズ」●特集「EC再強化」 [コラム]深掘り! いま注目のECワード02
ある新聞に「行き過ぎた日本のおもてなし」という記事が掲載されていました。おもてなしというと、へりくだって接客をするとか、徹底的に尽くすといったイメージを持つ方がいらっしゃいます。実は、行き過ぎたもてなしは「気味が悪い」と感じる人も少なくないのです。
接客の基本はコミュニケーションですが、だいじなのはその中身です。くどいコミュニケーションは、コミュニケーション不足と同様に接客としては失格です。それはECでも同じ。インターネットができた時に、これからは双方向コミュニケーションが必須になると言われていました。ところが、いざ始まってみるとメールアドレスも電話番号も書かれていない、問い合わせフォームすら見あたらないというECサイトが多く見受けられました。今でも少なくないですよね。
Amazonのように、サイトのすみずみまでロボットで接客できるよう巨額の投資ができるなら別ですが、中小零細企業では、そんなことはできません。そこで挙げられるのが「密着軸」です。顧客との関係を密にし、望むものを形にして提供することを売りにしようという戦略です。中小零細企業の一番の差別化要素と言えるでしょう。ただし、ここで考える必要があるのが、マニュアルどおりの接客をしていないかという点に加え、行き過ぎた接客をしていないか、です。ほどほどの、ちょうどよい距離感での接客が必要になります。