2018.01.17
従来のデザインの枠から飛び出すには、いかに「資産」を手にしているかも重要となる。写真や動画、フォント、そしてコミュニティ。クオリティが高ければアウトプットも高くなる。
「質の高いコンテンツ」を生み出すサービス
次世代の環境構築と試行錯誤
ストック素材などのアセット活用は、今を生きるクリエイターにとって重要な課題だ。これは単に、素材を使って作業効率を上げようという話にとどまらない。創造の裾野が広がった現代では、多くの人がクリエイティビティを発揮しており、優れた写真や映像が世に溢れている。そしてそれらがストック素材の市場を活性化し、クリエイターの創造を支える構図も出来上がっている。
つまりは、こうした優れた素材を活用する体制を整えているかどうかで、表現の幅が大きく変わってくる。ひいてはそれが制作物のクオリティを左右し、ビジネスの成否をも左右するというわけだ。
また、写真やビデオ素材だけでなく、デザインに使用するフォントもまたアセットの一種だといえる。表現の幅を広げるという意味では、やはり豊富なフォントを利用できる環境構築は不可欠となる。数の限られた定番フォントで自分なりの表現を磨くのも結構だが、いろいろなフォントを使いこなそうとして試行錯誤することによって、さらに数多くの経験や気づきを得られるだろう。
アドビが提供している「アドビストック(Adobe Stock)」や「タイプキット(Typekit)」は、そうした現在のデザインニーズに即したサービスだといえる。アドビCCと組み合わせて活用することで、これからのクリエイティブに必要な「ツール」と「AI」、そして「アセット」のすべてが揃うことになるのだ。
1億点を超えるプロ向けの写真、動画、イラストが使える!
「Adobe Stock」
ビジュアルの力は、制作物の出来を大きく左右する。もちろんデザインの核となるのはコンセプトやメッセージだが、そうした意図を的確に伝えられるかどうかはビジュアルにかかっている。しかし、コンセプトに合ったビジュアルを自前で用意するのは意外と大変で、ストックフォトサービスから素材を探し回ることも多い。
世の中にはさまざまなストックフォトサービスがあるが、アドビストックはクオリティの高い素材が充実しており、そのうえアドビツールとのシームレスな連携ができる点が大きな魅力となる。
フォトショップやイラストレータをはじめとするアドビのツール群では素材をソフト内で直接検索でき、カンプデータをドキュメントに配置するまでもスムースだ。しかも素材を決済すれば、ドキュメント上の素材は即座に実データへと更新される。面倒な差し替え作業は一切ない。これは画像素材に限ったことではなく、3Dデータやビデオ素材でも同様だ。
アセットの購入はアドビCCのサブスクリプションとは別に料金が発生するが、その料金体系は非常に柔軟なものになっている。画像購入に必要となる「クレジット」をまとめて購入する方法もあるし、毎月決まった点数まで購入できるサブスクリプションプランもある。
より安価な料金体系のストックサービスも存在するが、肝心なのは狙いにあった内容・品質の素材を素早く見つけられるかどうかだろう。その点アドビストックは品質と料金体系のバランスがよく、プロにとって「ちょうどいい」選択肢となる。
また、ビデオ素材やテンプレート、3Dモデルまで取り扱っているのも魅力のひとつだ。特にビデオ素材は充実しており、映像制作の助けになるだろう。
Adobe Stockの活用方法
WEBから検索
WEBサイトのトップページで使用する画像をAdobe Stockで検索してみよう。Illustrator CCやPhotoshop CCなどでは[ライブラリ]パネルから直接検索できる。
お気に入りをダウンロード
気に入ったものが見つかったら、雲のアイコンをクリックすると自分のAdobe CCライブラリにカンプデータがダウンロードされる。この状態はあくまでカンプデータなので、決済にはならない。
ドラッグ&ドロップで貼付
パネルの表示を自分のライブラリに切り替えると、ダウンロードしたカンプデータが格納されているのがわかる。ここからドラッグするとドキュメントに配置できる。
メニューアイコンからアクセス
Adobe CCのメニューアイコンからアクセスすることもできる。検索するとWEBブラウザで検索結果が表示される。
さまざまな条件で絞り込み
WEBブラウザ版のAdobe Stockでは、色味や写真の向きなど、さまざまな条件で絞り込むことが可能だ。
購入済みマークでわかる
購入手続きをした画像は、WEBブラウザ上ではこのような購入済みのマークがつく。
自動的に実データと差し替え
カンプデータで作業していたドキュメントは、決済が済むと自動的に実データに更新される。画像を配置し直したり再リンクしたりする必要はない。
動画のダウンロードも可能
画像だけでなくビデオの検索やダウンロードも可能だ。Premiere Pro CCなどの映像制作ツールでも、これまでに説明した流れと同様の感覚でビデオ素材を利用できる。