2018.01.17
これからのデザインに必要となるものはいったい何か。それは「体験(を生むツール)」「アセット(資産)」、そして「AI」である。次世代デザインのエッセンスとなる三種の神器について考えよう。
新体験を生み出すアドビCCの進化
常に新しいデザイン体験を
アドビCCが誕生したのは2012年のこと。パッケージ版からサブスクリプション版へとその提供形態を変えたが、進化の内容は決してそれだけではない。各ソフトはCC以降同じファミリーとしての連携を深め、新ソフトの追加やモバイルアプリの提供なども加えて機能・性能面で大きく進化。デスクトップソフト、モバイルアプリ、クラウドならではの各種サービスが連携する効率的な制作環境も実現し、「コンプリート版」を手にすれば、さまざまなジャンルのクリエイティブツールを常に「最新の状態」で利用できるようになっている。
これまで使っていたソフトだけがあれば十分。そう考える人も確かにいるだろう。だが、最新のアドビCCを知らずしてそう判断してしまうのは危険だ。さまざまな最新のクリエイティブツールを使えるということは、常に新しい表現を生み出せるチャンスを手にしていることにつながる。
デザインの本質を1つ挙げるとすれば、それは人々を新しい体験へと導くこと。当然のことのように人々の体験は時代とともに変化し、求められるクリエイティブの形も変わる。テクノロジーの進化が激しい時代を戦い抜くには、常にアップデートし続ける武器が必要である。
アドビCSからアドビCCへと変わって早5年。その間、アドビのクリエイティブツールはさまざまな機能を搭載し、テクノロジーによって私たちの表現と生産性を高める手助けをしてくれている。ここでは、その中でも多くの人にとって有益な驚きの機能の数々を紹介しよう。
考えてみれば、デジタルツールを使っていたとしても、デザインの作業はまだまだ人の手間暇が必要な時間のかかるアナログな作業が多い。1つでもそうした作業から解放してくれる機能を活用して、表現の幅を広げてほしい。
Photoshop CCの注目機能
失敗写真をシャープにする「ぶれの軽減」機能
ACC2013以降~
サムネイルで見たときはベストショットだと思ったのに、開いてみたら手ブレしていた…、というときに役に立つのが「ぶれの軽減」機能だ。ブレの方向を自動認識し、シャープな画像を作り出してくれる。気になる箇所を自分で指定し、重点的に修正することもできる。
AdobeのRAW現像テクノロジーをいつでもフィルタで利用 ACC2013以降~
Camera Rawの機能は、フィルタメニューから呼び出せるようになった。あらゆる画像形式が補正できるようになったほか、特定のレイヤーのみを補正したり、「スマートフィルタ」として補正前の状態を保持しておくことも可能になる。
「スマートオブジェクト」機能でキャンバス上で画像をリンク
ACC2013以降~
Photoshop CCのキャンバス上に、画像を「リンク」として配置できるのがこの機能。一度保存したあとでも、リンクしている元データを編集すれば、その最新の状態が反映されるようになる。WEB用の画像などをPhotoshop CCでデザインするときに重宝する機能だ。
マスク作成のベースに使える「焦点領域」機能
ACC2014以降~
画像の焦点が合った範囲を選択してくれる機能。パスを作成するのは面倒だが、自動選択ツールや色域指定だとうまくいかないときに使える。この機能だけでキレイに切り抜くことは難しいが、マスクのベースとして重宝する。
クッキリと画像を補正するには「かすみの除去」
ACC2015.5以降~
朝靄や光の乱反射によって、全体にかすみがかかってしまったような画像は、この機能を使うとクッキリとした画像に。「明瞭度」の調整に比べ、色味の復元も期待できる点が魅力だ。
選択範囲を微調整できる「選択とマスク」画面
ACC2015.5以降~
選択範囲の微調整に最適なのが、この「選択とマスク」画面。中でも「エッジの検出」スライダは、画像の細部を自動的に抽出してくれる優れた機能。髪の毛などをなるべくリアルに抽出したいときに大いに役立ってくれる。
イラストの作成に便利なブラシストロークの補正
ACC2018以降~
イラスト作成ツールではお馴染みの「ブラシ手ぶれ補正」を搭載。手ブレのないキレイな曲線が引けるようになる。補正量を大きくするとその分レスポンスが低下してしまうため、引きたい線に合わせてスライダを調節するのがコツ。
曲がっている写真はUprightで遠近法を補正
ACC2013以降~
Camera RawのUpright機能は遠近法による歪みを強力に補正してくれる。見上げ構図になってしまった建築写真やプロジェクタに投影されたプレゼン画面の角度補正など、さまざまな用途で利用できる。