2018.12.14
新iPadプロの実力は、その上で動く数々の先進的なアプリの存在があって初めて最大限に発揮される。選りすぐりのアプリの数々をご覧あれ。
アプリは次の領域へ
初代iPadの登場から8年あまりが経過し、すでに幾多のアプリが登場した現在において、アプリを通して「まったく初めての体験」を得ることは少なくなったはずだ。しかし、新しいiPadプロは、秀逸なアプリとの組み合わせで、我々の感覚を“初体験以上”の鮮烈さで更新してくれる。
その一例としてまず、世界中のプロフェッショナルによってヘビーに使われ続けているツール「フォトショップ(Photoshop)」のiPad版(1)が挙げられる。iPadに最適化されたフル機能のアプリとして開発が進められており、2019年のリリースが待ち遠しい限りだ。
また、プロ用途のアプリとしては「オートキャド(Autodesk autoCAD)」(2)のiPad版も負けていない。「設計」という、些細なミスも許されないシビアな現場で使われるツールも、大きな処理能力と鮮明な大画面を備えたiPadプロ上で使うことで、パソコン版とはまた違ったメリットが発揮される。
スケッチアプリの「プロクリエイト(Procreate)」(3)や、DJアプリの「ディージェイ・プロ(djay Pro)」(4)など、すでに定番的な位置にいるツールも、処理能力や操作感の向上によって、より“手と一体化したようなツール”としての洗練度を増していくだろう。
新たな分野の開拓も
ハード的な進化がもっともダイレクトに現れる分野のひとつが「ゲーム」だ。たとえば「アサシンクリード・リベリオン」(5)は、少し前の据え置きゲーム機のグラフィックスレベルにまで達していると言っていい。今後、iPadプロに合わせた高度なグラフィックスを持ったゲームアプリが市場を席巻するだろう。
そして、我々にもっとも新鮮な感覚をもたらしてくれる可能性を秘めているのが「AR(拡張現実)」アプリだ。特に、「プランテール(Plantale)」(6)は、普段は見ることができない植物の内部構造などをより深く知ることができる秀逸な学習コンテンツである。アップル自身も力を入れているAR分野は、今後まずますコンテンツが充実していくに違いない。
新iPadプロを手にしたら、ぜひ自分自身も「次の領域」に進むような気持ちで、さまざまなアプリをトライしてほしい。
(1)iPadの進化を象徴する、期待のキラーアプリ!
【開発】Adobe 【価格】未定 【場所】https://www.adobe.com
Adobe Photoshop for iPad
「Photoshop」は写真や画像加工の代名詞となっているツールで、かつては初期から中期のMacの普及にも互いに大きな影響を与えあった存在だ。今までもPhotoshopの機能の一部を抜き出したアプリはいくつかあったが、最近になって開発元のAdobeから「“フル機能”を持ったiPad版Photoshop」の開発がアナウンスされ、iPad Pro発表イベントで一部機能が披露された。
iPad版のPhotoshopは、Mac版の「焼き直し」ではなく、30年以上に渡って蓄積されたデータを再度見直してiPadに特化した新しいアプリとして開発が進められているとのこと。現時点では2019年中のリリースが予定されており、その登場を世界中のユーザが固唾をのんで待ちわびている状態だ。かつてのMacと同じく、iPadの未来にも大きな影響を与える存在となるだろう。
iPad版Photoshopは、標準ファイル形式PSDファイルを開き、編集することができるほか、おなじみのPhotoshopレイヤーパネルも使うことが可能。まさにMac版のPhotoshopがiPadの中にそのまま落とし込まれた形と言っていいだろう。
iPad Pro発表イベントでは、開発中のiPad版Photoshopのデモが行われた。インターフェイスはゼロから再設計されており、Apple Pencilを交えたスムースな動作には期待が膨らむばかりだ。
(2)大定番CADソフトをiPad Proで!
【開発】Autodesk 【価格】無料(アプリ内課金あり) 【URL】App Srore>仕事効率化AutoCAD
設計の世界でダントツの普及率を誇る「Autodesk autoCAD」のiPad版。Apple Pencilなどを活用することで、iPad Pro上で「製図板」のようなダイレクト感のあるオペレーションが実現されている。なお、アプリはインストール後7日間試用可能で、継続するには月540円、もしくは年間5400円のサブスクリプション料金が必要となる。パッケージ版はかなり高額なソフトだけに、リーズナブルな料金で始められるハードルの低さも大きな魅力のひとつだ。
アプリに付属するサンプルの図面を開いた様子。ピンチやドラッグといった操作にとても滑らかに反応し、まるで紙の図面を扱っているよう。これこそが設計・製図ツールの「完成形」と思える出来になっている。