2018.12.14
「1年以内に発売された92%のポータブルコンピュータより速い」とAppleが高らかに宣言した新iPad Proシリーズ。そのパフォーマンスは実際にはどの程度のものか、各方面から検証を試みた。
もはやパソコン並み!
新しいiPadプロのライバルはもはや“タブレット”ではなく“ノートパソコン”だ。iPadプロに搭載された64ビットSoC(システムオンチップ)「A12Xバイオニック(Bionic)」は、それを裏づけるだけのパフォーマンスを発揮してくれた。詳細な仕様は非公開だが、CPUは2.49GHzのARMベースのカスタムプロセッサで、メモリ(RAM)は標準で4GB、1TBモデルのみ6GBを搭載している。
ベンチマークアプリ「ギークベンチ4」を用いたところ、CPUスコアはシングルコアで5000前後、マルチコアでは1万8000を超えた。これは現行の15インチMacBookプロ(2.6GHz Core i7)がシングルコアで5000前後、マルチコアで2万1000前後なので、これに肉薄する勢いである。
また、グラフィックスの性能も前モデルのiPadプロと比較して約3割以上の性能アップを実現している。こちらもMacBookプロに匹敵するほどの高いスコアを示したデータがあり、モバイルデバイスとしては十分すぎるほどの高性能と言えるだろう。
搭載プロセッサの比較
最新のiPad Proに搭載されているカスタムプロセッサはA12X Bionicチップと組み込み型のM12コプロセッサ。前モデルのA10Xプロセッサと比較して最大90%の性能向上を実現。CPUは7nmプロセスで製造された8コアで、性能重視の4コアと効率性重視の4コアが組み合わされ高負荷時にはすべてのコアが同時に動く。
CPUパフォーマンスは2倍以上に!
「GeekBench 4」でのCPUのパフォーマンスを測定した結果。前モデルのiPad Proと比較して約2倍以上の性能向上が見られた。ディスプレイサイズやストレージ容量のモデル違いによる性能差はほぼ見られない。
グラフィックス性能は約3割アップ!
GPUのグラフィックス性能が測れるMetalスコアは、前モデルのiPad Proと比べて約37%の性能向上が見られた。なお、12.9インチの1TBモデルでは約57%の向上で、メモリ容量の違いも影響していると考えられる。
バッテリの効率性が向上!
Appleではバッテリ性能を11インチで29.37Wh、12.9インチで36.71Whと公表している。修理業者「iFixit」の情報によると、11インチで7812mAh、12.9インチが9720mAhとの記述がバッテリセルにあり、これは前モデルより約4~6%の容量削減となると同時に駆動時間に変化はないので、効率性の向上を意味している。 photo●ifixit.com