2018.12.14
カメラ機能が重視されるiPhoneと違い、iPadのカメラは「オマケ」扱いされがちだ。しかし、新iPad Proでは、スマートHDRやポートレートモードのセルフィーなど、iPhone Xシリーズと一部同等の機能を備える仕上がりとなっている。
スペック以上の体験
気軽に取り出し撮影できるiPhoneと比べてしまうと、iPadはその大きさゆえ、一般的に写真やビデオ撮影で使われる頻度はそれほど多くないかもしれない。しかし、携帯性で劣る分、iPadが持つ大画面は構図を把握しやすく、撮影後の編集作業も快適に行えるなどのメリットがあることを忘れてはならない。
新しいiPadプロのカメラは、背面カメラがスマートHDRに対応した。これは、iPhoen XSシリーズにも搭載されている機能で、HDR写真の仕上がりに大きな差が出るものだ。さらに30fpsまたは60fpsの4Kビデオに対応するなど、動画性能も着実に進化を重ねている。加えて、前面カメラにトゥルーデプスカメラを搭載したことにより、iPadで初めてポートレートモードの撮影ができるのも大きなポイントだ。
近年のアップルのカメラシステムは、ニューラルエンジンによる機械学習を含めた高度な画像処理を行っている。そのため、スペック以上に美しい写真が撮れるようになっており、撮影体験にも大きな違いを感じられる。
背面カメラは出っ張りアリ
背面には5枚構成のシングルカメラとクアッドLED True Toneフラッシュを搭載。レンズが出っ張っているが、Smart Keyboard Folioを装着すると、ケースの厚みと相殺され目立たなくなる。
TrueDepthカメラを搭載
前面にはiPhone Xシリーズと同じTrueDepthカメラを搭載。背景をぼかすポートレートモードや、照明エフェクトのポートレートライティングに対応する。アニ文字やミー文字、Face IDでも使われるカメラだ。
ポートレートは前面のみ
iPhone XRでは、背面カメラがシングル構成でもポートレートモードが使えたが、iPad Proの背面カメラはポートレートモードをサポートしない。前面のTrueDepthカメラのみでポートレートモードが使用できる。
カメラの主なスペック比較
今回の12.9インチモデルと11インチモデルでは、カメラ性能に差はない。10.5インチモデルと比べると、前面カメラのスペックアップが特徴的だ。背面カメラは新たにスマートHDRに対応する反面、光学式手ぶれ補正が廃止された。