中小企業&スタートアップの管理業務をシンプルにデジタルで一元化する管理システム「Gusto」|WD ONLINE

WD Online

Bay Area Startup News Web Designing 2018年8月号

中小企業&スタートアップの管理業務をシンプルにデジタルで一元化する管理システム「Gusto」

海外で起こっている、あるいは起こりつつある新しいビジネスの潮流、近い将来に日本にやってくるであろうビジネストレンドなどを紹介・考察します。米国サンフランシスコ在住の筆者が、サンフランシスコおよびシリコンバレーの「ベイエリア」を中心に、イケてるスタートアップを中心とした会社、サービスを毎月1つ取り上げながら、その背景や目的、今後日本で起こりうるトレンドについて追究します。

紙による煩雑な管理業務を効率化

日本でも働き方改革が叫ばれる中、アメリカでもより従業員が働きやすい仕組みをつくることが企業にとっての重要な課題になっています。その一端を担うのが、人事管理システムです。これまでの紙ベースのプロセスは非常に効率が悪く、働く方も人事担当者も無駄な時間を強いてきたと言わざるを得ません。

そんな中、このあまりにも非効率的な、しかしどの会社も抱えている課題を解決するべく2011年に創立されたのが、サンフランシスコに本社を置くGusto社。Gustoはこれまで煩雑になりがちだった人事系の業務を効率化し、従業員にもより透明性の高いシステムを提供することをゴールに急成長を続けているスタートアップです。

もともと「ZenPayroll」と呼ばれていた同社の提供するサービス「Gusto」は、今やアメリカ中の多くのスモールビジネスで利用されており、顧客は現在までに6万社を超え、アメリカ国内のビジネスの約1%にのぼります。サービスローンチから1年以上が経った今も、その勢いを落とすことなく成長を続けている、まさに注目のユニコーン企業となっています。

Gusto
経理、福利厚生、採用と、人事に関する作業一括管理できるプラットフォーム。社員100人以下の中小企業や、ベンチャー企業をメイン顧客としています。主に中小企業では管理業務を別の業務と兼務している方が多く、煩雑な作業を一元管理できるということでアメリカでは重宝されているサービスです

 

小規模企業にも一元管理システムを

Gustoは、人事に関わる数多くの管理業務をデジタルで一元化し、スムーズなUXを通すことで、働きやすさの実現を目指しています。メイン顧客として、前述のとおり主にスタートアップや中小企業などのスモールビジネスをターゲットにしています。

今までスモールビジネスではなかなか高品質なソフトウェアやサービスに手が届かず、大企業との間に働く環境のギャップが広がっていました。

たとえばスタートアップにおいてもっとも重要と言っても過言ではないのは従業員であり人事で、まさに“人”です。社員が10人の企業があれば、お互いのことを必ず深く知っていますし、取引先も身近な人たちになるでしょう。しかし、人事系のサービスはまだまだ不十分でストレスの原因となっています。また往々にして担当者がおらず、人事業務を他の業務と並行して行わなければならないなんてことも多々発生しているのが現状です。

さらに、労務に関しての規制や、福利厚生は時代とともにどんどん複雑化し、担当者なしで物事を進めるのが非常に困難になりつつあります。外部サービスに委託する方法もありますが、コストがかさむ上に、日々のやりとりに時間がかかってしまいます。

そこで、Gustoがこのギャップをテクノロジーで埋めてくれようとしています。注目される理由はそれだけではありません。Gustoは、今まですべて紙で行われてきた福利厚生や採用などさまざまな人事や経理に関する管理業務を、シンプルかつ一元的にオンラインで管理することを目指しています。採用時などに起こる煩雑な書類手続きや確定申告、休暇の申請や社員情報の管理などがGustoで完結します。

 

働く環境は企業の成長の礎

働く環境の改善は、それだけでなく企業文化の発展にも繋がります。つまり、Gustoの目指すものは、職場の環境やシステムの改善だけではありません。その例として、Gustoに含まれる「Welcome Wall」というサービスは、新入社員を歓迎するメッセージボードで、初日から社員の1人として働ける環境づくりを後押しするユニークなサービスです。

Gusto社のCEO、Joshua Reeves氏は、2つの目標を掲げています。1つ目は“peace of mind”を提供するというもの。これは社員のネガティブな感情を生んでしまいがちな煩雑な作業を取り除くことを目指しています。そして2つ目は、コミュニティとしての企業に着目することで、企業を“great place to work”にするというもの。

また、同社は自社内でも働き方についてさまざまな挑戦をしており、カルフォルニアで初めて、LGBT(同性愛者や両性愛者など)やそのパートナーへ対応が認められた企業にもなりました。そして、このような保証を行なっているアメリカで初の中堅企業にもなりました。これに対し、働き方に関して他の企業の参考やインスパイアを与えられる存在であり続けたいとしています。Gusto社は今成長の第二段階ですが、その成長は企業の文化とともに、現在もその勢いは衰えません。

HR (Human Resource) というワードは、近年日本でも頻繁に使われるようになっています。しかしそんな中、CEOがインタビューで話した言葉は非常に印象的でした。

「人は資本ではない。そして人は資源(リソース)でもない。人は人だ」

このようにGustoが注目される理由は、そのサービスのよさだけではないようです。人を大切にし、それをしっかりと理解できているからこそ生まれてくるサービスなのです。次の働き方のモデルはGusto社かもしれません。

Gustoは、労務管理から給与計算、福利厚生、時間管理、銀行取引、収益計算といった権利業務と呼ばれる仕事を1つのプラットフォームで管理でき、今まで多量の紙資料に埋もれ手間のかかる作業を効率化させます
Text:ブランドン・片山・ヒル
米国サンフランシスコに本社のある日・米市場向けブランディング/マーケティング会社Btrax社CEO。主要クライアントは、カルビー、TOTO、JETRO、伊藤忠商事、Expedia、TripAdvisor等。2010年よりほぼ毎週日本から米国進出を希望する企業からの相談を受け、地元投資関係者やメディアとのやりとりも頻繁。 http://btrax.com/jp/

掲載号

Web Designing 2018年8月号

Web Designing 2018年8月号

2018年6月18日発売 本誌:1,559円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

IT人材の採用は、将来を左右する最大の経営課題だ!

サンプルデータはこちらから

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

「売り手市場」でも採れる方法はある!
採用 最新必勝ノウハウ

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

こんなお悩みを抱える方、必読です!

「求人広告を出しているが、応募がない」
「雇ったのに、すぐに辞められてしまう」
「求人広告費に多額の予算をつぎ込んでいるが、成果がない」



最近、「企業が大学生どころか高校生にまでアプローチしている」という記事が新聞に載り、衝撃を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
人材採用は、そこまで深刻な課題となっているのです。

そして、現場は「人手不足」が憂慮すべき問題になっています。
自社の将来を担える人、自社の成長の力となってくれる人、今のプロジェクトを成功させるためのスキルを持つ人が欲しい…職種・業種・役職は違えど、みなさんが直面している悩みではないでしょうか。

時代はデジタル全盛時代。新卒者、転職者限らず情報が身の回りに溢れ、SNSのような新たなコミュニティの文化が育っている昨今、今までの採用方法にこだわっていては望む成果は得られません。

しかし、そんな「IT時代」の「売り手市場」でも、求める人材を採用する方法はあります。その1つが「マーケティング」の知識です。
自社の存在を知ってもらい、自社のビジョンを的確に伝え、共感してもらい、
確度の高い採用候補者にアプローチし、入社してもらう。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

「お客様に知ってもらい、買ってもらい、ファンになったもらう」マーケティングの知識が十分に活かせます。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


本特集では、IT系人材を採用するための最新ノウハウを詰め込みました。また、昨今の採用にまつわる動向、制作会社との関わり方、ダイレクトリクルーティングやHRテックの最新情報などもふんだんに掲載。

経営者、人事担当者はもちろん、マーケティングやクリエイティブ部門の方も将来の心強い新戦力を迎えるために、ぜひご覧ください。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●こんなことでお困りじゃないですか?「採用あるある」
1つでも「あるよなあ・・・」と思ったら、本特集を読むべし!

●なぜ、あなたの会社の採用はうまくいかないのか?

●採用はマッチング。だからマーケティングのノウハウが生きる。

●【募集要項をつくる】
 どんな人が、なぜ欲しいのかを決める。「募集要項」は採用活動のための最重要ポイントです。

●【採用マーケティング】
 採用したい「人材」に自社を「好き」になってもらうために。ペルソナを念頭に、マーケティングの観点で取り組もう

●【入社してもらう】
 自社にマッチした人材と出会い、入りたい企業だと思われるためのノウハウ

●大手就職情報サービスに聞く 売り手市場で成果を目指せ! 中途採用の現場

●[3年単位で実施して][ぐっと成果を引き寄せる!]最適なインターンシップの実現方法

●求職者の気持ちを「おっ!」と惹きつける 採用サイトに必要なクリエイティブのポイントとは

●AIが変える採用のかたち


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<こんな方にオススメです>
■応募者を募るため、とにかく広告費にお金を注いでいる
■応募があっても面談キャンセルが多い
■エントリーは多いものの、説明会後の実応募がすくない
■会社説明時、応募者に「そんな事をやっていた会社なんですね」と驚かれる事が多い
■内定者に辞退されてしまう
■求める人材像は「明るい・元気・素直」
■最終面接に残る人材のタイプがばらばら
■役員に聞いても、現場に聞いても、いま必要な人材像が見えない
■採用活動に社長は関わらない
■採用ツールに一貫性がない