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Bay Area Startup News Web Designing 2018年6月号

乗り捨て型シェアサイクル「JUMP BIKES」 「ちょっとそこまで」移動手段に革新的な選択肢が登場

海外で起こっている、あるいは起こりつつある新しいビジネスの潮流、近い将来に日本にやってくるであろうビジネストレンドなどを紹介・考察します。米国サンフランシスコ在住の筆者が、サンフランシスコおよびシリコンバレーの「ベイエリア」を中心に、イケてるスタートアップを中心とした会社、サービスを毎月1つ取り上げながら、その背景や目的、今後日本で起こりうるトレンドについて追究します。

加速するライドシェア

あなたがどこかへ行こうとする時、まず考えるのはなんでしょうか。電車、バス、自転車、徒歩…。現在では、その選択肢の中に自家用車の相乗りをマッチングする「ライドシェア」サービスが加わっていることはご存じかと思います。でも日本において実際は、とっさにUberを考えることはないですよね。日本ではサービスの開始に多くの課題が残っていることが大きな要因ですが、サンフランシスコにいたってはますます盛り上がってきています。

ライドシェアといえば、「Uber」や「Lyft」がよく知られています。これらは、行き先も利用者もそれぞれまったく異なっていた自動車をネットワークで繋ぐことで、渋滞、環境問題、コストや安全性など多くの課題を解決してきました。今ではタクシーのおよそ3倍にもあたる約700万人を1日に運んでいるというから驚きです。

そんなライドシェアの新しい流れとして忘れてはいけないのが、「シェアサイクル」です。これは日本でも見かけたことのある人も多いと思います。こちらも駐輪スペースの不足や放置自転車の課題を解決すると注目されています。

シェアサイクルは短時間単位での利用が可能であり、駅前や街中に設置されているドックステーションと呼ばれる、貸出・返却を行う無人の駐輪場で手軽に利用することができます。盗難などの心配もなく、非常に安心です。この場合、利用者は観光客が中心で、特に都市部など観光地が密集している場所で非常に多く利用されています。サンフランシスコは道に自転車レーンの設置が進められており、さらに街が小さいため、この点で非常に多く利用されています。

しかし、自転車は必ずステーションを起点にしており、このステーションは必ずしも街の至るところにあるわけではありません。そのため、手軽さの面で課題もあり、利用目的の多くは観光でした。そこで、今年の2月に新しいタイプのシェアサイクル「JUMP BIKES」が登場しました。

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JUMP BIKES
シェアサイクルの多くは指定の場所からピックアップし、指定の場所に戻すのがルールですが、今回紹介するJUMP BIKESは「乗り捨て」型のシェアサイクルです

もっと手軽にシェアサイクルを

JUMP BIKESの特徴の一つは何といっても、乗り捨てが可能な点です。JUMP BIKESはステーションに返却する必要がなく、街の至る所にある、ラック(簡易な自転車置き場)に施錠するだけでいいのです。そのため「ちょっとそこまで」の利用が容易になりました。利用はアプリを経由して最小30分間、2ドルから利用可能です。

そして、急な坂道の多いサンフランシスコでも快適に利用ができるよう、すべて電動自転車が採用されています。毎日の買い物など、車に乗るほどでもない移動にはまさに最適です。電動自転車は高価で、サンフランシスコでは所有するとなると、盗難など管理の不安もあります。しかし、JUMP BIKESならその心配もありません。

利用は専用アプリに加え、Uberアプリとも連携しており、スマホで近くの自転車を検索し、予約するだけで可能です。Uberを利用したことのある人であれば新たに登録する必要もなく、非常に利用のハードルも低くなっているように感じます。バッテリーも少なくなっているものは、40人のスタッフが常時交換し、いつでも電動自転車として利用できるよう、徹底もされています。サンフランシスコでは、これから利用しない手はなさそうです。

JUMP BIKESは何を変えるか

現在、JUMP BIKESはサンフランシスコ交通局(SFMTA)との18カ月の契約で試験的に導入されており、最初の9カ月で250台、問題がなければ、その後さらに250台が追加される予定です。台数が増えれば利便性も増し、これからさらに利用が増えることでしょう。

しかし、その一方で課題も考えられます。中国では2017年6月に爆発的に普及した、ドックステーションのない(ドックレス)シェアサイクル「Mobike」が、駅前などに乗り捨てられ、たまり、そして道を塞ぐなど社会問題になりました。また、街中のラックの不足も懸念されます。サンフランシスコよりも先にドックレスシェアサイクルが導入されたテキサス州ダラスでは、住民から苦情があがっており、条例で規制される見通しになっています。利用できるラックが限られてしまっては、せっかくの乗り捨ての魅力がなくなってしまいそうです。

しかし、短距離をより安く、そして早く移動できるであろうJUMP BIKESの登場は、確実に大きな影響をもたらしています。現在JUMP BIKESはベンチャーキャピタルから多くの資金を調達しており、これと連携したUberを受けて、Lyftもボルティモア・バイク・シェアと組んで、シェアサイクルのサービスを進めることを発表しました。

どちらにせよ、JUMP BIKESが高まるシェアサイクル、そしてシェアライド社会に一石を投じることになりそうです。

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利用できる自転車の検索は、写真のように「JUMP」アプリもしくは「Uber」のアプリ(Uberは「Uber Bike」という呼称になっています)からできます。地図に利用可能な自転車がピン表示されるので、乗りたい自転車を選択すると開錠のためのナンバーが送られてきます。それを自転車に入力すると乗れるようになります
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Text:ブランドン・片山・ヒル
米国サンフランシスコに本社のある日・米市場向けブランディング/マーケティング会社Btrax社CEO。主要クライアントは、カルビー、TOTO、JETRO、伊藤忠商事、Expedia、TripAdvisor等。2010年よりほぼ毎週日本から米国進出を希望する企業からの相談を受け、地元投資関係者やメディアとのやりとりも頻繁。 http://btrax.com/jp/

掲載号

Web Designing 2018年6月号

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■コンテンツの見せ方
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