2018.04.26
[UX1-5]ベンチマークは「ユーザーとの付き合い方」に注目して選ぶ こんなサイトに注目したい
ユーザーの姿を研究する際に欠かせないのが競合するサイトの研究です。そのサイトがどんなユーザーを狙っていて、その結果どんなユーザーを集めているのか。他社の取り組みは実戦的なお手本となるでしょう。しかし、難しいのはその選び方。ベンチマークとなるサイトはどう見つければいいのでしょうか。
本業で気になる会社のサイトが参考になるとは限らない
1章の最後で説明するのは「他社サイトの研究」です。どちらかというと、2章のコンテンツ設計の項目として出てきそうな内容ですが、あえてここで紹介をしているのは、他社サイトを研究することは、ユーザー研究の一環としても、たいへんに役に立つものだからです。
他社サイトの研究というと、どうしても「ページビュー数」や「検索順位」の比較をするといったあたりに目が行きがちです。もちろんそれらの調査も重要なのですが、その際に大事になるのは、「どんなサイトを研究し、自分たちと比較をするのか」、つまりベンチマーク先をどう選ぶのか、という点です。
ふつう、意識するのは本業でライバルとなる同業の企業が運営するブログ・オウンドメディアではないでしょうか。しかも、同じような規模で運用していたりすると、どうしても気になってきます。同業ライバルとのPV比較が社内でも大きな話題になっているという話は今でも時々耳にします。
しかし、それでいいのでしょうか。本業で意識している企業だからといって、ブログ・オウンドメディアの分野で同じような戦略をとっているとは限りません。まったく違うユーザーにアプローチしていることもあるのです。
ユーザーとの付き合い方に注目する
選ばなければならないのは、「ユーザーとの向き合い方が似ている」サイトです。まったくジャンルの異なる企業のサイトであっても、規模が違っても構いません。
仮に、自分たちが「コアユーザーを大切にするコンテンツが充実している」サイトを目指しているのならば、同じくコアユーザーを重視する戦略をとっているサイトをライバルにすべきでしょう。「初心者を広く集めるためのコンテンツを載せている」ならば、その分野で成功しているサイトを研究すべきです。
ここに至るまで、「自社サイトの分析」から「ペルソナ作成」へと進んできた皆さんであれば、すでにそういったサイトを見つけ出す「目」は、十分に養われていると思います。広い視野で、ライバルサイトを見つけ出してください。
その意味で言うと、チームメンバーそれぞれが、「どんなサイトをベンチマークすべきか」をそれぞれ選び、挙げてみるのは面白い試みになるでしょう。メンバー間の視点の一致やズレを確認する機会としても活用できるはず。ぜひ、試していただければと思います。