2016.09.09
河内屋|特殊印刷の事例で“魅せる”世界観を社内全員で発信 [Case Study #01]自社メディアが変われば会社も変わる
日本でここだけという特殊印刷の技法をコンテンツにすることで、自社サイトを印刷好きが集まるメディアへと進化させた河内屋。その狙いを代表取締役の國澤良祐氏に聞いた。
Photo:黒田彰
(株)河内屋 代表取締役 國澤良祐
河内屋 http://www.kawachiya-print.co.jp/
きっかけは偶然の出会い オウンドメディアへの変身
(株)河内屋は東京新橋にある特殊印刷会社。特殊印刷とは、活版印刷やバーコ(盛り上げ)印刷、箔押しなどの技法を用いたプリントのことで、現在商業印刷で一般的なオフセット印刷にはない風合いを表現できることから、デザイナーなどに高い評価を得ている。さらに、同社では手すきの和紙を利用した透かし印刷など、常に新たな印刷表現の可能性を追求している。
だが、芸術性が高い一方でコストが高めなことから業界全体では特殊印刷や特殊加工を行える会社は減少の傾向にあり、印刷機をメンテナンスできる技術者の高齢化なども相まって厳しい状況もある。
このままでは先代から引き継いだ事業の継続も将来的には難しくなると考えた國澤良祐氏は、付加価値の高い広告印刷物に活路を見い出し、インターネットでの自社サイトの宣伝にも早い時期から着目した。Overture(現Yahoo!リスティング広告)などキーワード広告の展開もそれなりの効果を上げたという。ところが、安価な印刷通販サイトの増加によって次第にそのSEO効果も頭打ちになっていき、今から5年ほど前に自社サイトのリニューアルを行うことになった。