オウンドメディアは2週間で立ち上げよ!|WD ONLINE

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オウンドメディアは2週間で立ち上げよ! 意識を変えよう。速さこそが正義だ!

オウンドメディアを立ち上げようと決めたら躊躇は無用。兎にも角にも「スピード」が重要だ。その理由は? ビットエーの中村健太さんが詳細に説明する。

オウンドメディアは「攻撃的な市場調査」の場

「この施策はユーザーにどう評価されたのか?」

そんな根本的な疑問に対する回答を素早く得ることができたら、それだけで大きな価値が生まれるだろう。しかし、Webサイトやバナー広告でその評価をしようにも、その検証にはどうしても時間がかかってしまう。広告の中身(クリエイティブ)が良くなかったのか、コピーが悪かったのか、そもそもユーザーに届いていないのか…。広告表現がリッチになることで、問題点がわかりにくくなるためだ。

その点、オウンドメディアのようにシンプルで、自分たちで狙いをコントロールできるメディアなら、問題の切り分けは容易だ。反応がなければ、届け方の問題(情報がターゲットに届いていない)だと考えられるし、インプレッション(広告の表示数)は多いのに、クリックされていないのならば、記事のテーマやタイトルが、ユーザーに刺さっていないと仮定できる。

こんなにはっきりとした結果が出て、しかも自社に都合のいいようにできる「市場調査」は他にはない。しかも、わずかな時間でそれを積み上げることすら可能なのだ。オウンドメディアは攻撃的な「市場調査」として活用できるのだ。

バナーやサイト構築とオウンドメディアの違いは「スピード感」
オウンドメディアの最大の特徴は48時間もあればユーザーの反応を見極めることができること。バナーやWebサイトとはそのスピード感が異なる。反応がよければ進み、ダメなら方針を再検討する。PDCAを高速に回すことが可能なのだ。

 

「失敗しないように」という発想が失敗のもと

これからオウンドメディアに取り組もうという企業の皆さん、あるいはこれを機会にあらためてオウンドメディアを復活させようという方の中には、準備にたっぷりと時間をかけてしまう人も多いのではないだろうか。どんなメディアをつくるかを長々と検討してしまう。実はそれがよくない。何も考えずにとにかくやってしまえというわけではないが、前述したオウンドメディアの特性を最大に活かすならば、「ユーザーに聞いてみる」ことを優先させるべきだ。

このフェーズにおいて、特にいけないのは「失敗をしないように」という考えを持つことだ。失敗もまた貴重な市場調査の一環であり、仮説を検証するための貴重な材料だ。短い時間でその検証を積み重ねることこそ大切なのだ。

 

旬を逃さぬための準備方法

例えば私自身がプロデューサーを務めるAI(人工知能)やMA(マーケティングオートメーション)といった先端のマーケティングをテーマとした『BITA デジマラボ』というオウンドメディア(https://bita.jp/dml/)は、企画立案からリリースまでわずか2週間しかかけなかった。先に述べたとおり、「あれこれ検討するよりも、ユーザーに聞いてみるほうが速い」という考え方を活かしたかったからだ。

では、その2週間にどんな準備をしたのか。まず行ったのは市場調査、そしてどんなオウンドメディアがユーザーに受けるか、「仮説を立てること」だ。実際に立てた仮説を参考までに紹介してみたい。これからオウンドメディアを立ち上げようという人は、このような感じで仮説を立ててみるといいと思う。

仮説1:AI(人工知能)やMA(マーケティングオートメーション)といった先端のマーケティングのネタは人気が高い。
仮説2:にもかかわらず、他社の同種媒体が報じているのは「ニュース」止まり。
仮説3:先端マーケティングを実際に試す、あるいは試すための手法を知りたいというニーズに応えるメディアはまだない。

まずはこのような感じで、思い切って言い切ってしまうことが肝要だ。

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掲載号

Web Designing 2016年10月号

Web Designing 2016年10月号

2016年8月18日発売 本誌:1,559円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

サンプルデータはこちらから

■ 特集:“小さく始める”オウンドメディアのつくり方

「ブランディング、集客、ひいては売上を伸ばすための施策としてさまざまな企業が実践している「オウンドメディア」。競合がはじめているから、いまの時流だから、自社の利益に繋がるならば、などとオウンドメディアをはじめようと思っている方も多いはずです。けれども「Webサイトをつくり、クオリティの高い記事を毎日更新していくのはムリ…」と思われている方、決してそんなことはありません。SNS、ブログ、自社サイトなど、すでにある“コンテンツ”を活かして自社の利益へとつなげることができるのです。オウンドメディアは、大きな会社だけのものではありません。予算をおさえながらも、大きな効果を生むオウンドメディアについてご紹介していきましょう。

第1部 効果的なオウンドメディアの制作→発信術

#新人まこちゃん、インターンとしてあのLIGブログに!
今さら聞けないオウンドメディア
#大事なのは「愛」と「戦略」
基礎の基礎から理解するオウンドメディア
#スピードこそが正義だ!
オウンドメディアは2週間で立ち上げよ!
#重要なのはアクションしてもらうためのスイッチ
“拡散”の秘訣は導きたい結果からの逆算
#スモールスタートで成果を出す
担当者ひとりでもできるオウンドメディアのはじめ方

#【座談会】担当者だから話せる“現場”の話
オウンドメディアの大変なこと、やってよかったこと

#構築後の改善アクションで、他社をリードする
「目標設定」と「効果測定」

#ふたたび新人まこちゃんが登場! 先輩オウンドメディアを紹介
あれも? これも!? オウンドメディア

第2部 事例から学ぶ“小さく始めて”成功する方法

【Case Study #01_河内屋】自社で運営するメリット
特殊印刷の事例で“魅せる”世界観を社内で発信

【Case Study #02_一俊丸】業界不振も、売り上げは2倍に
老舗釣船店メディア3つの掟

【Case Study #03 _Happy Maker!】自社の強みでユーザーとつながる
オタク向けに特化した婚活コンテンツ

【Case Study #04 _町田美容院の知恵袋】意外な手段で記事を量産
自前サイトで勝ち取った集客の極意

【Case Study #05 _SMASH WATCH】新たなコミュニケーション
ECサイトと連携したオウンドメディア
【Case Study #06 _箱庭haconiwa】Webのプロから学ぶ
共感を得る“好き”の気持ちとノウハウ
【Column】海外のSNSはいまどうなってる?
_オウンドメディア㊙記事“作成術”
_うまく活用したい補助金・助成金

■ WD SELECTION
マジョリ画/ Bascule Inc-βver. /ジムナストコロン/水曜日のカンパネラ OFFICIAL SITE/踏み台上等。dof のサマーインターンシップ/ユニコーンNEW ALBUM「ゅ 13-14」特設サイト/ ayanomimi /武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科/MIKIYA TAKIMOTOPHOTOGRAPH OFFICE - 瀧本幹也/ DeNARunning Club /ストリアクリニック/ illion"Water lily" Connected JamVideo / Gallery Site「SHINYA KIYOKAWA」/ ECHO 50V BATTERY SERIES

■ ビジネス・EC
□ ECサイト業界研究
「わさび式」記事作成法で集客力アップ!

□ モバイルビジネス最前線
MagicPrice:アドテクの活用でホテルの最適料金を予測

□ 知的財産権にまつわるエトセトラ
店内のBGMと著作権

□ Bay Area Startup News
ビットコイン技術で護るBlockai社の試み

■ マーケティング・プロモーション
□ データのミカタ
企業におけるクラウドの普及はどこまで進むか

□ デジタルプロモーションの舞台裏
面白法人カヤック:自らの強みを最大限アピールしたコーポレートサイト

□ 行動デザイン塾
オウンドメディアに求めたい「アクセシビリティ」

□ 解析ツールの読み方・活かし方
ベンチマーキングで市場を見ながら自社の評価を行う

■ コラム
□ One's View
今月のお題【オウンドメディア】
育てるための3つのポイント by 白井明子
オウンドメディアの副作用 by 土屋尚史
“リアル” な空間や体験の価値 by 峰松加奈

□ 未来食堂の「せかいと未来」
自ら発信するためのメディア

編集部よりお詫びと訂正のお知らせ

本誌P67「Case Study01 河内屋」記事内におきまして、誤記がありました。関係者の皆様にお詫び申し上げます。以下に正しい表記を掲載いたします。

× Web制作会社の(株)ナイルはコンサル事業を行っており
○ Webコンサルティング事業を行うナイル(株)が