2016.08.30
オウンドメディアは2週間で立ち上げよ! 意識を変えよう。速さこそが正義だ!
オウンドメディアを立ち上げようと決めたら躊躇は無用。兎にも角にも「スピード」が重要だ。その理由は? ビットエーの中村健太さんが詳細に説明する。
オウンドメディアは「攻撃的な市場調査」の場
「この施策はユーザーにどう評価されたのか?」
そんな根本的な疑問に対する回答を素早く得ることができたら、それだけで大きな価値が生まれるだろう。しかし、Webサイトやバナー広告でその評価をしようにも、その検証にはどうしても時間がかかってしまう。広告の中身(クリエイティブ)が良くなかったのか、コピーが悪かったのか、そもそもユーザーに届いていないのか…。広告表現がリッチになることで、問題点がわかりにくくなるためだ。
その点、オウンドメディアのようにシンプルで、自分たちで狙いをコントロールできるメディアなら、問題の切り分けは容易だ。反応がなければ、届け方の問題(情報がターゲットに届いていない)だと考えられるし、インプレッション(広告の表示数)は多いのに、クリックされていないのならば、記事のテーマやタイトルが、ユーザーに刺さっていないと仮定できる。
こんなにはっきりとした結果が出て、しかも自社に都合のいいようにできる「市場調査」は他にはない。しかも、わずかな時間でそれを積み上げることすら可能なのだ。オウンドメディアは攻撃的な「市場調査」として活用できるのだ。
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オウンドメディアの最大の特徴は48時間もあればユーザーの反応を見極めることができること。バナーやWebサイトとはそのスピード感が異なる。反応がよければ進み、ダメなら方針を再検討する。PDCAを高速に回すことが可能なのだ。
「失敗しないように」という発想が失敗のもと
これからオウンドメディアに取り組もうという企業の皆さん、あるいはこれを機会にあらためてオウンドメディアを復活させようという方の中には、準備にたっぷりと時間をかけてしまう人も多いのではないだろうか。どんなメディアをつくるかを長々と検討してしまう。実はそれがよくない。何も考えずにとにかくやってしまえというわけではないが、前述したオウンドメディアの特性を最大に活かすならば、「ユーザーに聞いてみる」ことを優先させるべきだ。
このフェーズにおいて、特にいけないのは「失敗をしないように」という考えを持つことだ。失敗もまた貴重な市場調査の一環であり、仮説を検証するための貴重な材料だ。短い時間でその検証を積み重ねることこそ大切なのだ。
旬を逃さぬための準備方法
例えば私自身がプロデューサーを務めるAI(人工知能)やMA(マーケティングオートメーション)といった先端のマーケティングをテーマとした『BITA デジマラボ』というオウンドメディア(https://bita.jp/dml/)は、企画立案からリリースまでわずか2週間しかかけなかった。先に述べたとおり、「あれこれ検討するよりも、ユーザーに聞いてみるほうが速い」という考え方を活かしたかったからだ。
では、その2週間にどんな準備をしたのか。まず行ったのは市場調査、そしてどんなオウンドメディアがユーザーに受けるか、「仮説を立てること」だ。実際に立てた仮説を参考までに紹介してみたい。これからオウンドメディアを立ち上げようという人は、このような感じで仮説を立ててみるといいと思う。
仮説1:AI(人工知能)やMA(マーケティングオートメーション)といった先端のマーケティングのネタは人気が高い。
仮説2:にもかかわらず、他社の同種媒体が報じているのは「ニュース」止まり。
仮説3:先端マーケティングを実際に試す、あるいは試すための手法を知りたいというニーズに応えるメディアはまだない。
まずはこのような感じで、思い切って言い切ってしまうことが肝要だ。