2016.02.23
業界潮流、競合動向もまるわかり!「SimilarWeb」活用講座(1/3) Chapter01:Web競合解析ツールとは何か
Webサイトの運用で、アクセス解析と時流に即した改善は成果を上げるために必須のポイントだ。だが、自社Webサイトの分析と同時に、競合他社や市場トレンドの動向についても目を配る必要がある。そうした分析を効率的に行える「Web競合解析ツール」の効果的な活用法について紹介する。
まずは、インターネットにおける市場動向や競合他社の動きを知るために便利なツールの基本について理解しよう。
アクセス解析では調べられないこと
いにしえの軍略家、孫武の有名な故事に「彼を知り己を知れば百戦危うからず」というものがある。これは敵と味方の実情を正しく理解すれば何度戦っても負けないという意味で、現代のWebマーケティングの世界にも通用する。
現在、自社Webサイトの状況を把握するのに一般的に使われるツールは「Googleアナリティクス」などのアクセス解析ツールだろう。適切に利用することで訪問者の客観的な行動データを取得でき、心理データを加味して深掘りしたインサイトを取得する手法も洗練されてきている。だが、これらはどこまで詳しく調べても「味方」の自社サイトの分析にとどまる。
これを補完するために必要なのは、競合となるWebサイトを解析するツールであり、さらには「敵」と「味方」が属する業界の動向全体を把握する必要もある。
業界分析でマーケット感覚をつかむ
インターネット全体で検索されたキーワードから流行や関心度を測定するツールとしては「Googleトレンド」が有名だ(01)。そのキーワードの人気度の動向は時系列で表示され、どの時期に注目を集めたのかなどがひと目でわかる。
さらにこのキーワードは「すべての国」だけでなく「米国」「日本」「神奈川県」など特定の国別・地域別に絞り込むこともできれば、「過去1時間」「2013年」のように時系列をセグメント分けして表示もできる。キーワードを「,(カンマ)」で区切って入力すれば、複数のキーワードの人気度の動向も比較できる。例えば、東京都の人から見て「ハワイ旅行」と「グアム旅行」ではどちらが人気で、どの時期に関心を示しているかといった解析は瞬時に行える。さらに関連するキーワードの人気度・注目度からランキングしてサジェストしてくれる機能も備わっている。
これらの機能を活用することで、自社サイトが提供するサービスがどの程度の人気度があるのか、時期や季節によって市場ニーズに変化があるのか、特定のエリアでニーズに違いがあるのか、施策によって影響があったのか否か、競合と比較してどのくらいの違いがあるのかなど、業界に関する変化を把握できる。
さらにもう一歩進んで、無料のGoogle AdWordsアカウントを取得すれば、「Googleキーワードプランナー」でキーワードの検索ボリュームやキャンペーン広告を展開する際の入札単価や予算を把握できる。こちらもコンテンツマーケティングを実施する際に役立つツールだ。Web制作会社などクライアントの業界分析を必要とする業種か、Webサイト自体を運用する事業会社のWeb担当者かなど立場によって利用目的は異なるが、いずれも業界分析のベーシックな手法としてマスターしておきたい。
競合解析ツールという「飛び道具」
ここまでの業界分析はやる気があれば誰でも手軽に今すぐ始められるが、ビジネスの現場ではさらに具体的な競合他社の動向を調べ上げる必要がある。
通常は公開されていない他社の情報を取得するなど到底無理と思うかもしれないが、これが可能となるWebサービスが注目を集めている。相手のサイトのURLを入力するだけでPV数や訪問者数の推移、平均滞在時間や離脱率(直帰率)、リファラーによる流入元や検索キーワード、さらには出稿している広告クリエイティブの動向までを白日の下に晒してくれる「SimilarWeb(シミラーウェブ)」がそれだ(02)。今回の集中企画では、同サービスを活用した競合解析の“今”を紹介しよう。