2016.02.22
ECのエンゲージメント向上に立ちはだかるユーザー登録の壁●特集「リピーター&ファンを生む新法則」
まもなく公開される「中小EC企業向け2016年EC戦略白書」。そこには、日本のECショップにとって驚きの調査結果が記されている。今まで必須項目として考えられていた会員登録が、購入行動の妨げになっているというのだ。しかも、米国と中心とした海外ではすでにその問題を認識しているという。その実態をPayPal.Pte.Ltd 東京支店に聞いた。
『中小企業向け 2016年EC戦略白書』とは?
https://www.paypal.com/jp/
インターネット決済サービス「PayPal」と日本Eコマースコンサルタント協会(JECCICA)が共同で制作しまもなく公開する、全国の2万人(20~50代 男女 有職者)、および国内の中小EC企業1,000社を対象にしたアンケートをもとにまとめた調査結果。ECサイトの利用動向から囲い込み戦略の実状、モバイルシフトの現状などECにかかわるあらゆる調査結果が網羅されている。
会員登録がユーザーを遠ざける
ECショップを利用しようとした際、会員登録が面倒で購入するのをやめてしまったり、多少価格が高くてもすでにアカウントを持っているECショップで購入した経験は誰もが持っているのではないだろうか? ユーザーからすれば商品が購入できればいいのだから、すでにアカウントを登録しているショップで買いたいと思うのは自然な流れだ。では、ひるがえってあなたのECサイトはどうだろうか? ユーザーに対して、会員登録せずに購入できる選択肢を用意しているだろうか?
決済サービス「PayPal」が発表したデータによると、「直近1年以内に中小ECショップで購入した回数」が3回以下と答えているユーザーは52.5%と半数以上。そのうち、「新規で会員登録するのが面倒だから」という理由で購入を見送っているユーザーが34.4%もいるという。では、そもそもなぜ大多数のECサイトは、購入の際に会員登録を必須にしているのだろうか? その理由をPayPal.Pte.Ltd 東京支店の白石高志氏はこう説明する。