2015.10.17
「古くて新しい手法」コンテンツマーケティングとは●特集「コンテンツマーケティング」 今、もっとも注目されている手法の概念と、普及に至った背景
「コンテンツマーケティング」は、2011年ごろから欧米で急速に拡がり、すでに米国企業の9割以上が導入しているというマーケティング手法だ。国内でも2014年ごろから話題となっており、現在、もっとも注目されている手法といっていいだろう。「古くて新しい」とも言われるコンテンツマーケティングの概念と、普及に至った背景を紹介しよう。
コンテンツマーケティングという「考え方」
コンテンツマーケティングとは、価値あるコンテンツを制作・発信することで見込み顧客を獲得したり、コンテンツの提供を通してニーズを育成して購買を生み、最終的にはファンとして定着させることを目指すマーケティングの考え方だ。
製品やサービスに対するニーズが顕在化した「顕在層」をターゲットとする従来手法とは異なり、まだニーズが顕在化していない「潜在層」に対し、コンテンツを通して自社の存在を認知してもらい、段階的に購買へと後押ししていくことに重きを置く。「コンテンツマーケティング」とは単一のツールや手法を指し示す言葉ではなく、01のような段階的なマーケティングプロセスを構築するための「概念」であり「考え方」と理解するとよいだろう。
コンテンツマーケティングは、今や世界的なトレンドとなっている。米国では9割以上の企業がコンテンツマーケティングを実施しているという調査結果もあり、コカ・コーラやP&Gといった影響力の強い企業による取り組みも話題を集めている。特にコカ・コーラの取り組みは早く、2011年に「Content 2020」というコンセプト動画を制作し、社を挙げてコンテンツマーケティングに取り組むことを明言している(02)。日本でも、2014年にライオンが生活情報を発信するオウンドメディア「Lidea」(http://lidea.today/)を開設するなど、業界を問わず多くの企業で取り組みが始まっている。