2019.11.01
インタビュー8つの鉄則を学べ ここに気をつければ顧客の心が見えてくるインタビュー8つのポイント
CXについて分析する際に、欠かすことのできないことの一つがユーザーの声を聞くことです。中でもユーザーインタビューは、声を深く聞き取るための効果的な手法ですが、その「聞き方」にはコツがあります。ここでは専門的な調査を行なっているビービットにそのコツを8つ、伺ってきました。
Photo:黒田彰
鉄則 1:広い視野から課題を見つけだすように心がける
ユーザーインタビューでは広い視野で話を聞くことが大切になります
例えば、自社のWebサイトの使い勝手や機能性といった、体験の全体像を知りたい場合でも、Webサイトのみに注目して調査してはいけません。なぜなら、顧客にとって、Webサイトを訪れることは「競合サイトも含めた選択肢の1つ」に過ぎないかもしれませんし、「テレビCMやチラシ、口コミなどの接点の一つ」として捉えていることも考えられるからです。
「Webサイトが利用されていないという課題の場合、動線に問題があるのかもしれませんが、そもそもWebでの訴求に向いていない内容だから見られていないということもありえます。こうした課題は、Webについて尋ねるだけではなく、Webを訪れる前後の動きも含めて話を聞いていくことで初めて明らかになります。このように、視点を広く持つことが本質的な課題と、それに対する対応策を見つけだす、有意義な発見につながることが多いです」(進藤さん)
鉄則 2:ユーザーがつい話したくなる「状況」を引き出す
ユーザーが自分から話し始めるような状況はこうつくる
インタビューの限られた時間の中で、課題解決のための価値ある情報を得るためには、当然ながら、事前に計画を立てておく必要があります。ただし、そこで用意しておくべきなのは、細かな質問項目表やタスクリストではありません。ユーザーが、日常的に感じていることを、主体的に話してくれるような、きっかけとなる「状況」を引き出す言葉を用意しておくのです。
「あれこれ聞かずとも、ユーザーが自ら進んで、感じていることを話す状況をつくることを心がけています。例えば、『生命保険に注目したのは、どんな時だったのですか?』といったような促し方です。『親類が病気をして』といった回答が返ってくれば、あとは自然と流れでお話をしてくださる方が多いです。そうしてお話をひととおり伺ったら、その工程を振り返りながら『なぜそのやり方を選んだのか』『なぜ気に入ったのか』と一つずつ尋ねていくのがいいと思います」(福澤さん)
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