特集

[2012]ライバルとの論争に決着 新たな教育市場の開拓へ

火蓋を切ったプラットフォーム戦争

アップストアのライバルというと、グーグルの「グーグル・プレイ(Google Play)」を思い浮かべる人も多いと思います。しかし、アップルにとって2012年当時の最大のライバルはWEBアプリの可能性を高める「HTML5」でした。アプリ開発コストを抑えるためにWEBアプリによるクロスプラットフォーム開発を検討する開発者が増え、ネイティブアプリと比べる議論が繰り返されました。そうした中、フェイスブックのマーク・ザッカバーグCEOが「HTML5に賭けたのは間違い」と断言。アプリ市場の流れは一気にネイティブアプリへと傾きました。

また、2012年にはスマートフォンに続いてタブレットでもアンドロイドが首位に躍り出ます。そうした中、初代iPhone OSから搭載され続けていた「Googleマップ」と「YouTube」がiOS標準アプリから外されました。グーグルとアップルの競争の緊張が一気に高まります。

しかし、それは発展的なパートナーシップの解消と呼べるものでした。たとえば、アップルがマップを持ち、そのAPIを開放したら、ナビゲーションアプリのアイディアを持つ開発者が容易に実現できるようになります。モバイル・プラットフォームに不可欠なサービスや技術をアップルがサポートすることで、サードパーティーのアプリ開発の幅が広がったのです。

そのほか、前年秋にリリースしたiOS 5でアップルは「アイクラウド」と「シリ(Siri)」を導入しました。アイクラウドをハブとするクラウドハブへの移行。そして音声インタラクションへの布石です。今振り返ると、2012年は今日に至るモバイル・プラットフォーム戦略が形づくられた変化の年でした。

変革のスタートはトラブルに見舞われたアップルでしたが。同年秋にハードウェア、ソフトウェア、サービス間の協力を推進する大規模な組織再編を発表。エディ・キューがアップストアを含むオンラインサービスを統括し始めました。

 

ITで教科書市場に参入

もう1つの動きとして、2012年1月にアップルは「iBooks 2」「iBooks Author」「iTunes U」を発表し、iPadでテキストブック市場に参入しました。すでにアップストアには「元素図鑑(The Elements」や「Exploriments」など、マルチメディアを多用した教育向けアプリがたくさん存在していました。多くの開発者がiPadを活かせる分野として教育や学習を選び、充実したカテゴリの1つになっていました。

また、同年には「Duolingo」や「Khan Academy」など、ネットを通じて無料で学べるMOOC(オンライン講義)のiOSアプリが登場しました。学生や教育関係者を対象としたアプリ開発が活発になり、それから教材、ノート、実験ツールなどiPadを用いて創造的に楽しく学べる新たな学習体験が形になり始めたのです。

 

WEBアプリ対ネイティブアプリの議論が広がる中、Googleなどとのプラットフォーム戦争という見方を否定。オープンなWEBプラットフォームであるHTML5、ユーザに最高のアプリ体験を提供できるApp Store、2つのプラットフォームをAppleはサポートしているとスティーブ・ジョブズ。




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