特集

[2010 ➡ 2011]アプリ市場の急成長とビジネスモデルの成熟

アプリ内課金でさらに成長

登録アプリ数やダウンロード数ではアップルの予想を大きく上回るスタートを切ったものの、まだ初期段階に過ぎないアップストアは開発者やユーザのニーズを十分に満たせてはいませんでした。中でもアプリ開発者を悩ませたのが、購入前に有料アプリのトライアルを提供できないことでした。これにより、知名度のない開発者の有料アプリを購入してもらうことは難しく、気軽に購入してもらえる1ドル未満の低価格帯に有料アプリが集中しました。「おなら音(iFart)」や端末を傾けて画面に映る生ビールを飲み干す「今すぐビール」など実用性ゼロでも話題性でインストールさせるジョークアプリも増殖しました。

この解決策として前年の2009年秋からアップルは有料アプリに限定していたアプリ内購入を無料アプリへと拡大します。それによって無料アプリから追加機能やプレミアムサービスへなどが購入してもらえるようになり、「フリーミアムモデル」の採用が広まりました。

そして2010年4月にアップルはモバイル広告ネットワーク「iAd」を発表します。無料アプリに開発者がインタラクティブな広告を統合して広告収入を得られるもので、広告を見るユーザ体験にも配慮したアップルらしい仕組みに注目が集まりました。

また、同年春に登場した初代iPadによって、タブレット向けアプリの市場が切り拓かれました。すぐに数多くのアプリがiPhoneとiPadの両方に最適化したユニバーサルアプリ化を果たします。

 

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無料アプリから開発者が利益を上げられる新たな方法として登場したのがiAdです。開始当初は広告を掲載するアプリの開発者の取り分は広告収入の60%でしたが、2012年に70%に引き上げられました。

 

モバイルファーストへ進む世界

2011年はパソコンを上回るペースで売れ続けるスマートフォンやタブレットの動きを受け、アプリ開発者やサービス提供者が軸足を移し始めました。いわゆるモバイルファースト時代の到来です。「Instagram」や「Snapchat」など、スマートフォンのみで提供するモバイルオンリーのサービスでも成功例が増え始めます。

ユーザがインストールするアプリの増加に対応して、アップルは2010年にリリースしたiOS 4にフォルダ機能を追加し、バッテリ消費への影響を抑えながら、たくさんのアプリを使いこなせるように設計した独自のマルチタスク機能も導入しています。複数アプリの切り替えだけではなく、バックグラウンドで「Pandora Music」を聞きながら別のアプリを利用するような使い方も可能になりました。

また、2月にニューズ・コーポレーションがアップルとのパートナーシップで開発した「The Daily」というiPad向けの日刊誌アプリを発表しました。それに合わせて、アップルは新たにアップストアに「サブスクリプション」の仕組みを実装しました。

これはアプリ内購入に似ていますが、登録・退会や課金といった購読の管理機能を揃えています。さらに同年秋には「Newsstand」という新聞・雑誌をまとめる新アプリを追加。サブスクリプションのビジネスモデルはその後、「Evernote」や「1 Password」など、幅広いカテゴリでマネタイズの方法として採用され今に至ります。

 

App Storeをデータで読み解く

これまで450万本以上のアプリがリリースされ、審査プロセスの改善で非ゲームアプリの比率も増加傾向にあります。 (出典:App Annie)




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[2008 ➡ 2009]ポストPC時代の扉を開けたアップストア
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