2018.11.08
地域別攻略(2)東南アジア編 急成長するタイ・ベトナム・インドネシアの現在に迫る! SNSを駆使して新興市場に参入
近年急速に発展を遂げた東南アジア地域は、国によって文化背景が大きく異なります。一筋縄では展開が難しい地域なのが実情ですが、魅力的な市場でもあります。ここでは代表的な例としてタイ・ベトナム・インドネシアでのマーケティング事情について、同地域をまたがって事業展開するアドアジアホールディングスの皆さんに話を聞きました。
経済成長著しい注目の3カ国から東南アジア市場を読み解く
事業の海外展開を考える際に、東南アジアを第一選択肢として考える企業も少なくありません。地理的にも近く急速な経済成長を遂げているASEAN地域は、将来を考えたときに有望と考えられるからです。また、デジタルマーケティングの面においても、FacebookやLINEといった日本でもお馴染みのプラットフォームを活用できる点は大きな魅力とも言えるでしょう。
しかし、東南アジアといっても多くの国が存在し、経済・文化の状況はさまざまです。
そこで、シンガポールをはじめ、タイ、ベトナム、カンボジア、インドネシア、マレーシア、台湾、フィリピンなど13の国と地域を拠点として事業展開し、アジアマーケットに詳しいアドアジアホールディングスに、もっとも将来性が期待できる3カ国を挙げていただきました。
「シンガポールや香港のような先進国水準のマーケットは別として、成長率の観点からはタイ、ベトナム、インドネシアの3カ国が有望です」(小堤音彦さん)
EC市場規模が拡大するタイ マイクロインフルエンサーのプロモーションも効果大
歴史的・文化的にも日本との関係が深く、安定した経済状況から日系企業の進出も多いタイでは、近年オンライン広告市場規模が大幅に拡大しています。2017年は約426億円と昨年対比で31%という急成長を遂げ、2018年には約492億円に達すると見られています。規模としては約1.5兆円の日本の30分の1以下ですが、伸び率については注目すべきレベルと言えます。
日系ブランドの浸透度は高く、特に人気があるのが化粧品や健康食品などの分野です。スマホなどモバイル環境の普及度は日本並みで、市場を牽引しているのはFacebook&Instagram、YouTubeといったSNSメディアで、中でも動画コンテンツがクリエイティブのメインストリームとなっているのが特徴的です。
「ほかの東南アジア諸国と同様に消費者の年齢が若いので、動画コンテンツを視聴する傾向は高めです。特にInstagramのストーリーズなど15秒以下の短い動画や縦型動画が流行していて、キャッチーなワードやインフルエンサーのコンテンツはシェアされやすいです」(山田果歩さん)
インフルエンサーも10万人以上のフォロワーを持つトップランクだけでなく、数千人規模のマイクロインフルエンサーを起用することで、身近な商品を比較的低価格からプロモーションを実施できるのが魅力と言えます。
また、EC市場も2.5兆バーツ(約8.8兆円)と拡大傾向にあります。主なプラットフォームは「Lazada」「Shoppee」「11street」で、日本でお馴染みのLINE Payや中国資本のAliPayなどによるモバイル決済が可能なことから、今後日本からの進出も増加していくと考えられています。ただし、トレンドの変化は速く、LINEは他プラットフォームと比較して中高年の比率が高い点も注目です。
「肌感覚でもEC案件のご相談が増えています。中国の影響もあって、11月11日や12月12日のゾロ目には大きなセールがあります。また、インバウンド向けにタイでプロモーションを実施するなら4月あるいは年明けからがおすすめです」(山田さん)