2018.03.16
何が変わる? 予算で見る動画の違い オリジナリティ重視か? 予算重視か?
数万円から数百万円まで、実に幅広い動画制作費。しかし、制作費によって、具体的に「何が」「どのように」変わってくるのでしょうか? 実際の動画を例に、コストアップ、コストダウンの要因を見ていきましょう。
同じジャンルの動画で比較すると、違いが見えてくる
ここまでで動画の制作費に対する考え方は理解していただけたでしょうか? しかし、予算によって、内容がどのように変わるのかを想像するのは動画制作に不慣れな人には難しいはず。そこで、制作費によってどのように中身が変わるのかを比較していきましょう。
違いを感じるには、訴求内容が似ている動画を価格帯別で比較することがポイント。例えば制作会社で3つの料金プランが設定されている場合、会社案内で3つの価格帯の動画を比較したり、サービス紹介動画で3つの価格帯を比較するなど、訴求ポイントが同じ動画を見比べることができれば、違いが分かりやすくなります。その際、制作会社に、どこにお金がかかっているのかを聞いてみるのもいいでしょう。さらに、比較した動画のなかに、自社で作りたい動画にイメージの近いものがあれば、発注の際に忘れずに伝えましょう。
また、発注の際に確認したいのが、自社のWebサイトのほか、SNSやセミナー、展示会など、使用場所に限らず自由に使えるかどうか。動画を再編集・加工して、新たな動画を制作した際に二次使用料がかかるかどうか。細かな修正、追加撮影が必要になった場合、どれぐらいの追加料金が発生するかどうかは必ず確認しておきましょう。
インパクト重視・低予算なら「お任せ」も検討
サービス紹介や会社案内、集客、会員獲得など、目的はさまざまでも、多くの人は、「インパクトのある動画がいい」と考えるのではないでしょうか? 「宮崎こばやし熱中小学校 30秒CM銀座編」は地方創生のプロジェクトである「熱中小学校」が発注したもので、開催場所である宮崎県小林町須木をPRするために動画三部作を制作しました。
制作費は1本あたり15万円から25万円とヒューマンセントリックスの価格帯の中では最安で制作されているにもかかわらず、役者が使用されており、現地のロケも実施。さらにシナリオもユーモアを織り交ぜたインパクトのあるものに仕上がっているのが特徴。役者の起用や、ロケの実施、プロならではのシナリオや構成など、コストアップの要因がいくつも入っていますが、低予算でできた理由を中村氏は次のように説明します。
「熱中小学校様の三部作は、コストダウンを図ることができた理由が大きく2つあります。1つは、訴求したいポイントを弊社が理解した上で、お客様が完全に『お任せ』してくださったこと。もう1つは、同じ構成で訴求ポイントを変えたものを3つ制作したことです。特にシナリオ・構成をお任せ頂いたのはコスト的に非常に大きく、もしこれを絵コンテレベルから打ち合わせしていたら、到底、この予算では制作できなかったでしょう。『お任せ』でなかった場合、制作費はおそらく40万円~80万円程度になったはずです」
さらに、当初はインパクトのある動画をつくりたいと思い描いていても、発注者と制作会社が社内稟議や絵コンテなどで丁寧なやりとりを重ねるうちに、「熱量」が下がり、結果、特徴のない動画になってしまうことも多いと中村氏。インパクトのある動画を低予算で作る際には勇気を持って、「お任せ」することでいい結果につながることも多いのです。発注の際には、「お任せ」の場合、これまでどのような事例があるかをしっかりと教えてもらいましょう。