2018.01.23
UXデザイナーの理想と現実_開発会社フェンリルに聞きました Webデザイナーの働き方改革
ソフトウェアやアプリを多数開発するフェンリルには、受託側の立場から「社内で必要としたくなるUXデザイナー」について話をうかがいました。
Question▶︎ UXデザイナーとはどういう存在だとお考えですか?
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「依頼相手と徹底的にコミュニケーションできるか? ヒアリング能力が求められる職業です」
私たちにとって、主な案件はソフトウェアやアプリ開発のご相談、というケースです。ご相談時点でのフェーズもまちまちで、かなりゼロに近い状態からサービスをつくり上げるところまで求められたり、いくらか進んだ状態からどう打開すべきかを相談されるケースまであります。さまざまな状況に共通するのは、ユーザーにとって使いやすいのかどうか、という観点。対応方法はケースバイケースですが、私たちの基準は、何よりもエンドユーザーが使いやすいかどうか。これらに応えるためのすべてが、UXデザイナーに求められる資質だと考えています。
UXは、よくUIと並列で語られる機会が多いですよね。そのことが現場や多くの企業を混乱させています。もちろんUIはUXを考える一部ですが、その他にもっと多くの考えるべき要素があります。ですので、私たちがUXに踏み込む際は、クライアントと徹底したコミュニケーションを行い、クライアントが抱える課題をあぶり出します。UXデザイナーと名乗りたいなら、ヒアリング能力は必須。いかに相手から課題を引き出せるか? コミュニケーション力が問われます。
他にも、ユーザーに近い被験者を呼 んでのユーザーテストの実行や、新サー ビスの立ち上げであれば「該当サービ スが本当に受け入れられるのか」、プロ トタイプをつくっては改善を繰り返すこ ともします。UXデザイナーなら、こうした すべてについて、ジャンルを限定せず横 断的にできる存在であってほしいですね。
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- 荻野博章
- フェンリル(株)デザイン部次長。デザイン部門のマネージャーを経て、2015年4月のデザイン部立ち上げより現職。東京、大阪に在籍する32名のデザイン部を統括する立場にある。共著に『プロトタイピング実践ガイド』(インプレス刊)など。