2018.01.18
UXデザイナーの理想と現実_UXデザイナー深津貴之さんに聞きました Webデザイナーの働き方改革
深津貴之さんは、UXデザイナーとして国内の第一人者、先駆者的存在。深津さんだからこそ体感してきたUXデザイナーやUXデザインの意味について、話を聞きました。
Question▶︎ UXデザイナーとはどういう存在ですか?
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「仕組みづくりが求められる存在。お金の話もできないと厳しいです」
「UX」という言葉の定義が人によって まちまちですので、最初に僕自身が考え る「UXデザイナー」を説明すると、商品 企画からマーケティング、できればカス タマーサポートまでも含めた企画立案 や設計、対応ができる人、となります。
かつてはUIに寄った領域の仕事をし ていましたが、2010年ごろからUXに広 げて仕事をしています。もともとのスタン スが「ユーザーに使ってもらえてナンボ」。 UIだけに取り組んで問題が解決するケー スは少なく、もっと手前のレイヤーから(UI 以外のことに)入り込む必要性を感じて、 実行に移してきました。
心がけているのは、関わる案件のビジ ネス的な成功を引き出すこと。UXデザ イナーと名乗るなら、ビジネスの言葉が 話せる必要があるし、さまざまな経営者 の考え方を学んだり、経営者と折衝す る際にきちんと対話できる素養も身につ けるべきです。上流工程の話になると、 お金(予算)や指標の絡む数字の話は 必須です。数字が苦手だと厳しいですし、 中長期的なビジョンも持っておきたい。 その上で、ユーザー目線の立場に配慮 できるバランス感覚も必要になります。
既存の状況を大きく変える役割を担 うので、僕個人の感触だとボトムアップ では進まない。トップダウンで断行しな いと前進が厳しく、経営者に対して自ら が何に長けて、どのような資質のアドバ ンテージを握る人間なのかをわかりや すく説明できる必要もある。そうやって 周辺の協力が得られるかどうかが、前進 のためには大切な要素です。