【コラム】「イケメンお兄さん」と「プロジェクト設計」|WD ONLINE

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One's View コラム Web Designing 2018年2月号

【コラム】「イケメンお兄さん」と「プロジェクト設計」 今号のお題「UX」

さまざまな方々に、それぞれの立場から綴ってもらうこのコラム。ひとつの「お題」をもとに書き下ろされた文章からは、日々の仕事だけでなく、その人柄までもが垣間見えてきます。

こんにちは! 大阪のちょっとやんちゃな八尾という地域にある社員35名の老舗石鹸屋で商品企画・広報を担当してる峰松です!

ものづくりをしている方からすると、UXという言葉は自分たちの世界とは関係ない、インターネットの世界にあるものとお考えの人も多いかもしれません。

しかし、商品単体での差別化が難しくなってきているリアルなプロダクトこそ、「もの」ではなく「体験」をどうやって提供するべきかについて考えてみる必要があると思います。

最近私が体験した、リアルな場所で面白いなあと思った小さな顧客体験があります。割と家に近い範囲にコーヒーショップが複数店舗あり、それぞれ距離は同じくらい離れているので、どの店舗を使ってもいいのですが、自然と足が向いてしまう店舗がひとつあります。そこにはいつも羽生結弦選手似のイケメンお兄さんがいて、レジでは「今から心を込めておつくりしますね!」と注文を受け、バーでは「今日も美味しくできました(ニコ!)」と商品を手渡ししてくれるのです。

文字に書き起こすとなんだか道徳の教科書みたいで薄っぺらいのですが…(笑)。「素の笑顔で、しかも好きでやっています!」という気持ちがヒシヒシと伝わってきて、まあ悪い気はしません。こんなくさいセリフ(!)を満面の笑みで言って接客してるのは、そのお兄さんくらい。他の店員さんはいたって普通ではあるのですが、心なしか他の店舗よりも一つひとつの言葉遣いや気遣いが細やかで、何よりもみんな楽しそうに思えてしまいます。

何が言いたいかというと、わたしも普段から自社や他社のブランディングを行うプロセスで、大切にしていることがこの話にこそ通じるのです。それは、プロジェクトに携わっている本人たちが一番楽しくて、納得感があって、自信を持って「いいものだ」と言えるようにプロジェクト自体を設計すること。

ロジックや数字に関してはシビアにならないといけませんが、それと同じくらいこのポリシーを大切にしています。わたしの仕事はひとりで何一つ生み出すことができません。一緒につくってくれるクリエイターや仲間がどうしたらこのプロジェクトを他の仕事より楽しいと思ってくれるか、ということに人一倍気を使っています。実はこれ、めちゃくちゃ難易度が高くて、なかなか実現できないのです。けれども、うまくハマった時は、必ず良い商品になり、良い結果に繋がるんですよね~。

羽生結弦選手に似た某コーヒーショップのお兄さんを思い出しながら描いてみました…編集部の方が(笑)。イケメンというのも大事なポイントですが、なによりもお兄さんの存在が店舗の雰囲気をつくりだしているのでしょうね。見習いたいものです
ナビゲーター:峰松加奈
新卒で外資系消費財メーカーに入社し、2015年夏より大阪の中小企業・木村石鹸工業(株)に転職。商品企画部門がなかったため、マーケティング室を立ち上げて自社ブランドの開発・育成に日々奮闘中。目標は、今までにない革新的なブランドを作って、「家事」の概念を変えること。木村石鹸ブログ:http://www.kimurasoap.co.jp/blog/ Twitter:@mnmtkn

掲載号

Web Designing 2018年2月号

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2017年12月18日発売 本誌:1,559円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

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PVは上がっているのに、コンバージョンに繋がらない!
Webサイトが期待するほどの効果をあげられない!
そこで、サイトの改善を急務として考えている方は多いと思います。

Webサイトの弱点を改善して、成果の出せる武器にしたい、もしくは、Webを有効活用した新しいビジネスを立ち上げたい。そうお望みの方に、「UX(ユーザー体験)」のノウハウをお勧めします。

UXとはとても端的に言えば、ユーザー視点で設計やデザインを考えることです。マーケティングの世界は、ユーザーの心をとらえる「体験を売る」時代になり、ますますこの考え方が取り上げられるようになりました。ただ、「UX」という言葉が先行して、イマイチ何のことかわからない、理論はわかるけど実際にどこから手をつけていいかわからないという方も少なくないのではないでしょうか。

UXは闇雲に叫んでも成功するものではありません。そこには理論に基づく準備やプロセスがあります。
本特集を一通りお読みいただければ、無意識にUXの理論や見るべき視点、メリットや期待できる効果などが把握でき、みなさんのビジネスの現場で応用ができるようになることでしょう。

【段違いの成果が出るUXの「5プロセス」】

[1]心を1つに。
プロジェクトチームの意識共有を図ろう

[2]お客様を知る。
ユーザーの「ホンネ」や動向を知ろう

[3]商品を知る。
プロジェクトにおけるビジネス的課題を把握しよう

[4]理想を描く。
商品のあるべき姿を描き、実現のためのアイデアを練ろう

[5]つくる・見せる・話を聞く。
原型を部外者に試してもらい、反応を見よう


<こんな方にオススメです>
・UXをまずは何から始めていいのかわからない
・UXってデザインだけじゃないの?
・そもそもUXってなにがよくなるの?
・部署を横断して取り組むべきなのはなんとなくわかっているが、説得する自信がない
・理論だけではなく、現場で実践していることが知りたい
・Web解析時のUX評価方法や改善方法を知りたい
・UXの重要性をクライアント・上司に理解してもらいたい
・効率よく成果をもたらすためのテクニックを知りたい