2017.07.24
【信頼性】企業のWeb担当者に必要な心構えとQ&A Webビジネス必携の法律・ルールブック2017
Web担当者が迷わず突き進んでいくためには? 日々の業務に溺れそうなWeb担当者の霧が晴れるための2つの心構えと、Q&Aを通じて「最低限知っておきたいこと」を解説します。
Web担当者の心構え・その1 過敏にならない。萎縮しない
デジタルマーケティングにおいて、自社サイトや各種のSNSを通じて発信することは、企業や組織の規模を問わず、身近で有効な手段の一つです。ただし、ビジネスとしての発信は、プライベート以上に社会的にそのあり方が問われます。悪意がなくても、SNSで法に抵触する投稿をしたり、思うがままに書き連ねた自社サイト上の一部のフレーズが、他社の権利を侵害していたとしたら…。さらに、初期対応を誤りファンだったユーザーが次々と離れたり、炎上につながってビジネスが立ち行かなくなる事態となったら…。
そうならないためには、知るべきことを知っておく。ここでは「いきなり会社のWeb担当者に指名されても困らない」という観点から、最低限のルールを解説していきます。
遵守すべきこと、侵してはならないラインはあるとはいえ、元来インターネット空間は、誰もが自由に表現できる場です。厄介なのは、法律の中にはグレーゾーン、判断に困るファジーな領域があること。ですが、みなさんには萎縮しすぎないで表現してほしい。伸び伸びとした表現意欲を尊重するあり方を模索してほしいです。
Web担当者の心構え・その2 トラブルの源は「相手の権利侵害」にあり
過敏にならず、萎縮しない。そのためには、最低限知っておきたいルールやつかんでおきたい法律を意識できるかがポイントです。ざっくり言うと、法律の中でも、著作権とそれ以外の法律で、だいぶ対処の仕方が変わってきます。それ以外とは、例えば景品表示法(景表法)や薬事法のほか、特定商取引法、迷惑メール防止法、個人情報保護法、下請法、金融商品取引法…と表現上、公開や投稿で関係してきそうな法律全般と思っておいてください。
先にそれ以外について言うと、比較的“やってはいけないこと”がはっきりしています。知っておければ、やらなくて済みます。迷わせるのは著作権です。ファジーな法律ともいえて、線引きが曖昧。杓子定規に当てはめると、実態にそぐわないことも出てきます。
詳細は各事例を参照していただくとして、Web担当者のみなさんには、法的にはグレーゾーンと思える現場に数多く直面することを自覚しましょう。その上で、これから表現しよう、投稿しようとするコンテンツについて、明らかにアンフェアな形で権利が侵害される相手がいるなら、ただちに対応してください。また、グレーゾーンについては以下の4つを意識してもらえると考えやすいかもしれません。
グレーゾーン(迷う表現)に遭遇したら、4つのことを思い出そう
(1)適法で特に問題がない(恐れることはない)
(2)違法に当たるが、クレームが来づらい
(3)適法だけれど、クレームが来やすい
(4)違法で、当然ながらクレームが来る
特に迷うのは2と3では? 心配が高じれば1でも自重する判断に流れてしまいかねません。最低限のマナーは身につけて、1だといえる場面を増やしましょう