2017.02.18
特別企画 [PR] Web Designing 2017年4月号
資格で広がったクリエイターとしての視野 わたしたちのターニングポイント
エンジニアとして、これまで自分の知識を高めることを追い求めてきた山田大樹さんに転機が訪れた。そのきっかけとなった出来事とは。そしていま、彼が目指す先とは。
Photo 五味茂雄(STRO!ROBO)
Webサイトの制作、開発のみならず、企画に始まる上流工程から、サーバホスティングやコンタクトセンターの構築に至るまでをワンストップで提供する株式会社フォーク。総勢150名になる大所帯の制作会社だ。そのフォークで働く山田大樹さんは、サーバサイドエンジニアとして、さらに昨年からは「ユニット」と呼ばれる社内チームの一つを統括するマネージャーの役割も担っている。
そんな山田さんの、8年になるエンジニアとしてのキャリアは、不運としか言いようのない「空白」から始まった。
知識を追い求める理由
「自分が新卒で就職した2008年は、リーマンショックの影響で製造業が大不況に陥った年でした。勤めていた自動車のシステム関連の開発会社もその煽りを食うかたちで仕事が大幅に減ってしまい、その結果、自分たち新人はリストラされたり、閑職に追いやられたりしたんです。自分はたまたま会社に残ることになったのですが、このままエンジニアとしてのキャリアを積めるかどうかすらわからない不透明さに耐えられず、結局、退職したんです」
そんな山田さんを「拾ってくれた」のがフォークだった。
「大不況下で、経験も知識もない自分には会ってもくれない会社がほとんどだったのですが、この会社は話を聞いてくれて、チャンスをくれた。本当にありがたいと思いました」
やっとエンジニアになれた山田さんは、はからずもできてしまった「空白」を埋め戻そうとするかのように仕事に打ち込むだけにとどまらず、プライベートの時間を割いてまで勉強に取り組んだという。
「役立ちそうな資格を片っ端から取っていったんです。情報処理に関するもの、データベースに関するもの、それにPHPとか…。平日は目一杯仕事をして、休みの日は資格のための勉強をして。自分でもちょっとやりすぎかなと思うくらいに打ち込んだ時期もありました。他の人からしたら資格マニアにしか見えなかったと思いますが(笑)」
クリエイターの「共通言語」を
その山田さんが、いま、周囲に取得を勧めている資格がある。それは「HTML5プロフェッショナル認定試験」だ。その理由の一つは、試験の内容にある。
「資格試験の中には、取得のための特別な勉強をしなければいけないものも少なくないのですが、この資格の場合は、現場との親和性が高いので、勉強したことがそのまま現場で活きると感じたんです」
もう一つ、冒頭で触れた社内の体制変更も理由だ。デザイナー、ディレクター、エンジニアと、それぞれ専門領域の異なるクリエイターが肩を並べて仕事をする環境には「共通言語」が必要だと考えているのだ。
「いまでもよく思い出すのがエンジニアになって2年目に携わった、ある大型案件。コミュニケーション不足が積み重なって、危うく深刻な事態を招きかけました。伝えたつもりが伝わっていなかったり、そもそも伝えるべき言葉を持っていなかったり」
では、Web制作に携わるものが持つべき共通言語とは何か。山田さんは「HTML」をそのひとつだと考える。
「エンジニアにはぜひレベル2まで挑戦してほしいし、デザイナーやディレクターにもレベル1の取得は勧めたいです。それぞれのスキルを高めることが、チームとしての力を高めることにもなるでしょうし」
マネージャーとしての一歩を踏み出した山田さんは、自らの経験を下敷きに、いま、チームの成長を考えている。
企画協力:特定非営利活動法人エルピーアイジャパン