はちえん先生直伝! 動画マーケティング成功術|WD ONLINE

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はちえん先生直伝! 動画マーケティング成功術 自前で取り組む

「動画なんて無理」、そう思っている、特に中小企業や街のショップの皆さん。動画は自分たちだけでお金をかけずにできる、「自前マーケティング」の手法でもあるんです。ここでは中小企業のマーケティングを大得意とする「はちえん先生」こと坂田誠さんに、実績に裏付けられた究極の動画マーケティングのテクニックを紹介してもらいます!!
Photo:藤代誉士

「はちえん先生」こと坂田 誠
(株)はちえん。全国の商工会議所などで年間100本、総計500本以上の中小企業向けセミナーで講師を務める、「はちえん先生」の愛称で人気のコンサルタント。http://8en.jp/

動画マーケに取り組む前に誤った思い込みを捨てよ!

動画が大きな注目を集める今、 大企業は動画マーケティングに膨大な予算を割くと聞く。そんな話を耳にすると、中小企業は「予算も技術もないウチには無理」と諦め気分になるというもの。しかし! それは大きな勘違いだと断言したい。なぜなら、私がお手伝いをしている企業・店舗には「スマホ1台、予算0円」で自前で動画を制作し、売上を飛躍的に伸ばしているところがいくらでもあるからだ。では彼らのように成功するには何をすべきなのか。私はまず、2つの「思い込み」を是正すべきと考える。

間違った思い込みの一つは「大事なのは編集だ」というもの。予算が少ない企業に限って、テレビ番組のように編集された動画こそがいい動画だと信じ込んでいるがそれは違う! きれいで豪華な動画をつくっても、パンフレットを動画に焼き直したような内容では見る人の心には響かない。その一方で、動画の撮影や編集は素人レベルでも、その話し方や振る舞いに情熱やお客様への感謝が溢れ、わかりやすい商品の使い方や的確なアドバイスが盛り込まれていれば、必ず顧客はついてくる。「売れる動画」とは、顧客の心の琴線に触れる、“本質”を満たすものを言うのだ。

 

スマホ1台でいますぐ始められる動画マーケ

もう一つの思い込みは「機材がないから動画が撮れない」というもの。確かに数年前まで、動画制作は高性能なPC、高価な編集ソフトが必要な、プロ領域の作業だった。だが、今はスマホ1台あれば十分な画質での撮影、そしてプロ風の編集まで、簡単にできてしまう。

私が特におススメするのは、iPhoneやiPadで使える動画編集アプリ「iMovie」。私はこれまでiMovieを使った動画制作を、アナログ世代の中高年層を含む総計3,000人以上に講義してきたが、1人の脱落者もなく、全員が動画を完成させている。子どもからお年寄りまで、誰でも動画はつくれるのだ。

さてここからは「売れる動画」の9要素を、事例と合わせて紹介する。当該店の動画を視聴した上で解説を読み、自前動画マーケティング成功の秘訣を「体感」として吸収してほしい。

 

[秘伝その1]
動画で大事なのは編集ではない! 顔出しで「本当に大事なこと」を語れ

 

ぴあの屋ドットコムチャンネル
※YouTubeで「ぴあの屋ドットコム」で検索

動画には、綺麗な編集が必須…そんな思い込みを打ち砕くのは京都の「ぴあの屋ドットコム」の動画だ。同店は動画を活用し、中古ピアノを1年で1億3,000万円も売る中古楽器業界の有名店。なぜ、数十万~数百万円もする中古ピアノが、実物に触れることのできないネット販売でそこまで売れるのか? 私はその理由を「編集ではなく本質にこだわっている」ことと、社長の石山雅雄さん自らが「顔出しで登場」しているところにあると見ている。動画内での石山社長は、見る人を笑顔にさせる軽妙かつ暖かいトークで、傷や使い具合などを含めた中古ピアノの状態を嘘偽りなくレポート。そして顧客が知りたいピアノの音色は試奏でじっくりと聴かせる。撮り直し・編集なしの一発撮り、素人感が満載の動画だが、大事な要素を顔出しして語る様子に見る側は引き込まれる。石山社長は、取り扱うピアノは必ず動画を投稿している。その累計は4,000本以上! 圧倒的だ。「動画で売る」には編集にはこだわらなくてもいい。それよりも、お客様を楽しませ、知りたいことを、自分の顔で語るのだ。

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掲載号

Web Designing 2017年2月号

Web Designing 2017年2月号

2016年12月17日発売 本誌:1,559円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

Web動画マーケティングの[最新]勝ちパターン

サンプルデータはこちらから

企業のIT推進担当者やネット運営者に向け、ネットビジネスの課題を解決するノウハウや最新情報をお届け。徹底した現場目線とプロへの取材&事例取材で、デジタルマーケティング施策に取り組む上での悩みや疑問、課題を解決するヒントを紹介します。

2月号の特集テーマは「Web動画マーケティング」です。

「いまは動画の時代である」と言われはじめてはや数年。インターネットで見られるコンテンツのうち、動画の割合が増えてきたことは言うまでもありません。SNSはもとより、コーポレートサイトなど、目にする機会が多くなった動画は、すでにマーケティングのツールのひとつとして考えるのが当たり前になっています。とはいうものの、いまのビジネスに動画がどんなメリットを与えてくれるの? という方も多いのでは。そんな方のためにも本特集では、利益を伸ばすためのポイント、トラフィックを増やす方法、SNSやYouTubeとの連携など、ビジネスに動画を活用するための知識や方法を、費用対効果に沿った形で解説します。大手企業のマネをするのではなく、自社のビジネスにあった動画の活用方法をお伝えします。


第1部「ここだけはおさえたい! 動画マーケティングの基礎知識」

_実録「マーケティグ動画のできるまで」
実際に中小企業が動画マーケティングのプロに仕事を依頼した一つの案件について、ヒアリングから動画制作、納品、その後の分析/解析まで時系列で紹介。
動画施策の一連の流れを疑似体験してみましょう。

_やさしく解説する「動画マーケティング」
動画マーケティングについて、その考え方、ポイント、留意点などさまざまな点から、動画とマーケティングの関係についてわかりやすく解説します。

_“動画マーケティング”その背景を考える
なぜいまマーケティングに動画が利用されるのでしょうか。写真ではなく、動画であることの理由はたくさんありますが、スマートフォンの普及、それに応じた縦型動画の利用などなど、いま動画がマーケティングとして利用される背景について考えます。

_マーケティング視点で考える動画
動画をマーケティングに利用するということは、単に写真を動画に入れ替えるということではありません。動画にすることの目的は、あくまでも自社の課題を解決するためです。
課題を見つけ、それに応じたKPIを立て、PDCAを回していくという基本的な考え方が必要であることを改めて考えます。

_Facebook、Twitter、Instagram…SNSで展開する動画について
SNSで動画はどのように扱われ、いかにマーケティングに利用できるのでしょうか。各SNSがプラットフォームとして用意する動画との親和性はもとより、利用する側が知っておきたいさまざまな知識について解説します。

_Youtubeで公開する動画について
SNS同様、動画プラットフォームとして確立しているYouTube。広告としてだけでなく実際に動画を配信することで得られるメリット、マーケティングとして利用するための方法についてなど、あらかじめ知っておくべき基礎知識をまとめます。

_動画の効果を測定する方法、その考え方
動画を利用したマーケティングでは、動画つくって終わりではありません。公開した動画がどのように見られているのか、アプローチしたい層に届いているのかなど、その効果を測定しながらさらなる改善が必要になってきます。そのための効果測定について、解説します。


第2部「事例集」
_5つの事例から学ぶ、動画マーケティングの現場からの視点

コラム
_費用対効果で考える自社の動画制作(予算と規模感の相関)
_中小企業が実践すべき動画マーケティング10か条