2016.04.03
2分で始められる物流サービス。価格と効率の両面をカイゼン●特集「ECサイト、次に打つべき6つの施策」 プロが薦める最新デジタルツールレポート⑥:オープンロジ
使えば便利なとこはわかっているが、敷居の高さを感じる人もいるであろう物流サービス。その感覚を根底から覆す、斬新なサービスが登場した。それを提供する「オープンロジ」に話を聞いた。
物流アウトソーシングの「壁が高い」理由
「物流」というと、宅配便のような配送工程をイメージする人もいるかもしれないが、正確には倉庫に商品を収める「入庫」処理にはじまり、在庫の「保管」、ピッキングから梱包に至る「出荷」、そして「配送」及び「返品対応」に至るまでの5つの工程を総称して指す言葉だ。
規模の大小を問わず負担の大きな部分ゆえに、アウトソーシングを考えたことのあるEC事業者も多いだろう。
しかし、特に中小のEC事業者の中に、その実施にためらいを感じているケースも多いと聞く。そこには、物流の世界特有の事情が影響しているようだ。オープンロジを起業し、現在は代表取締役を務める伊藤秀嗣さんが、一部の企業の間で残る、“慣習”ともいうべき事情を話してくれた。
「商品を物流業者に預けようと考えた事業者が、まず第一に直面するのが、規模の問題かと思います。倉庫は基本的に取り扱い量を基準に、坪単位(広さ)で契約するのが一般的。そのため、それなりの取扱量がない事業者にはメリットが生まれないどころか、倉庫を借してもらえないといったようなケースもあるんですね。それでもなんとか利用したいと調整しても、見積もりを取って契約内容を調整している間に1カ月はかかってしまうというのが普通なんです。その期間の発注処理、在庫管理をどうするか。けっして小さな問題ではありません」
課題は規模、価格、時間だけではない。実際に運用がはじまってからも生じるのだ。
「倉庫への納品、出荷といった日々の工程もかなりの手間がかかると聞きます。たとえば納品、出荷の操作一つとっても、PC上で10も15も工程を踏まないといけないこともあるんですよね。それでは効率化を図ろうとアウトソーシングしたのにかえって手間がかかるようになった、なんてことになりかねません」
明快で安価な利用料 わかりやすい管理画面
伊藤さんは、そういった物流業界の課題を徹底的に研究し、オープンロジを立ち上げた。それゆえそのサービス内容は非常にわかりやすく、シンプルだ。
「どんな規模の事業者でも使えるように、料金は坪単位ではなく、個口単位としました。入庫量が1個15円、保管料が日額1個0.2円から。さらに配送料は梱包作業費・資材費込みでポスト便で200円、縦横高の合計が60センチ以内の宅配便で450円と、通常よりも安価に設定しています。また、管理画面もシンプルに設計しており、誰でもすぐに使うことができるようにしています。たとえば入庫の場合、商品を選択して個数を入力、入庫ラベルと明細書出力のボタンをクリックするだけの、わずか3画面、3ステップで済むようにしました」
出庫の操作も同様にシンプルだし、配送ステータスの確認も容易だ。また、配送時間やギフトラッピングの指定なども、単一の画面で容易に設定できる。