2016.04.02
使いやすく独自色の強い新しい物流サービスに注目を●特集「ECサイト、次に打つべき6つの施策」 出荷作業に追われて寝るヒマもないなら!
「朝から晩まで出荷作業で寝る暇もない! もう注文いらないから休ませて‥‥」
「アウトソーシングで効率化&業務の質の向上を。出荷が1日5個を超えたら検討のタイミング!」
Illustration:我喜屋位瑳務
混乱は「1日5件」から始まる
ECショップの大きな課題の一つが出荷に関する作業だ。ひとことで言えば単純だが、そこには山のような工程が含まれている。在庫の確認、発送日の確認、受注確認のメール送信、さらにはピッキングリストの作成、納品書印刷、梱包。もし在庫がなければ、メーカーに問い合わせてお客様に連絡、入荷日が確認できたら発送日を連絡する必要もあるだろう。
ここに、注文の変更や追加、さらには突然のキャンセルなどがあるわけだから、一筋縄でいかないのは当然のことだ。在庫が確認できない、箱がない、包装用のガムテープがない‥‥。ちょっとした出来事で現場は大混乱。そこにはミスの種が大量にまかれているのだ。
私の経験上、一人でECショップを行っている事業者の場合、1日の注文数が5件になると混乱が始まる。注文から商品到着までが平均4日とすると、常に20件の注文情報や顧客情報を頭のなかに入れておくのは大変だ。
成長しているショップの現実とは?
さらに売り上げが伸びてきたケースも考えてみよう。例えば、月商1,000万円のショップで客単価が5,000円だとすると、月間の注文は2,000件になる。月間稼働数が20日であれば1日に約100件の処理をしないといけなくなる。ピッキングから梱包、宅配業者への引き渡しまでの時間は、経験がある人でも1件あたり5分はかかるから、一人で働くなら500分、8時間以上も出荷作業をしなければいけないという計算になる。これではお客様サポートに費やす時間も、ミスをフォローする余裕もない。
出荷体制が破綻してしまったらどうなるのか。私の知っているあるショップでは、お客様への謝罪で業務がパンクし、店を閉めざるをえなくなってしまった。事業者の方であればよく理解しているだろうが、トラブルが元で離れた顧客は、なかなか元には戻らない。
ではどうすればいいのか。ミスを起こさないことは大事だが、それよりも、ミスが起きにくい運用体制を作るべきなのだ。そのためのポイントは、仕組み化による効率化だ。