2015.09.22
ユーザーの状況とデバイス特性をとらえた、「ユーキャン」の施策●特集「スマホ最適化」
スマホの特性を認識したところで、ここからは事例を通して具体的な対応を考えてみたい。まずは、ユーザーのコンテキストをしっかりと把握した「ユーキャン」のスマホ最適化を見てみよう。
はじめに、行政書士や宅建などの法律系資格、医療事務や介護事務などの医療系資格からボールペン字といった実用系講座まで130を超える通信教育のプログラムを提供しているユーキャンの事例を紹介しよう。
生涯学習のユーキャン(医療事務ページ)
http://www.u-can.co.jp/医療事務/
●課題の確認
テレビCMと新聞の折り込みチラシでターゲット層の認知と興味を獲得
↓
ユーザーをWebへ誘導し、資料請求や申し込みへの具体的なアクションへ
●状況の確認
・PCとスマホのアクセス比重が逆転傾向
・女性向け講座はスマホ閲覧がPCよりも多い
・受動的なモードのユーザーがスマホサイトへ流入
スマホサイトに与えられた役割
マーケティング施策は、テレビCMと新聞の折り込みチラシでターゲット層の認知と興味を獲得してWebへ誘導し、Web上のコミュニケーションで資料請求、または申し込みの具体的なアクションへとユーザーを誘導することである。よって、一連の流れの歩留りをいかに改善できるかが重要なポイントとなる。
ユーキャンにおいてもPCとスマホのアクセス比重は逆転の傾向にあり、特に女性向けの講座についてはスマホ閲覧の比率がPCを大幅に上回っている状況がある。一方で、資料請求や申し込みのコンバージョン率はPCの方が高い傾向にあった。テレビCMのライトな刺激で、やや受動的なモードのユーザーがスマホサイトへと大量に流入しやすいこともコンバージョン率の違いに影響を与えていた。
この課題に対処するために、ユーキャンでは複数パターンのスマホサイトのレイアウトとコンテンツを用意し、A/Bテストを繰り返すなかで現在の形に行きついた。ユーキャンは紙のチラシにおいても数十年前からA/Bテストを徹底して実施する文化が根付いており、スマホサイトの最適化においてもその文化がいかんなく発揮されている。