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雨宮編集長のコゴト@一斉予選と懸賞金

2015.07.25 | 週刊将棋編集部

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 18日のチャレンジマッチは滞りなく終了し、8月1日の一斉予選出場者が出そろった。チャレンジマッチの模様と一斉予選組み合わせはこちらで。

 滞りなく、とはあくまで運営上のこと。個々の出場者、特に敗退者には滞りも悔恨もあるだろう。来期への糧となることを祈る。

 さて、一斉予選である。第1期から公開対局で行い、いまや夏の恒例イベントになった。「見られてナンボ」のプロとはいえ、あれほどの近距離で対局を見られることはめったにない。ふだんにはない緊張感の中で、負けて涙した選手もいる。特典だのお楽しみ企画だのいろいろあるが、まずは女流の対局姿を見に来てほしい。里見香奈も、香川愛生も、清水市代も出場する。

 先週の稿で、組み合わせの抽選は最小限の条件でグループ分けが行われるので、とんでもない組み合わせができるかもしれないと書いた。今回はいきなりの対戦ではないが、清水市代と中井広恵が同じブロックに入った。互いに1回戦を勝てば、ブロック決勝で当たる。
 清水と中井の対局は100局を超える。そのほとんどがタイトル戦や決勝であり、予選での対戦が今までにあったかどうか…。実現したら、どちらかが予選落ちする鬼勝負だ。

 ところで、マイナビ女子オープン独自のシステムとして、懸賞金スポンサー制度がある。「女流を応援しよう」という趣旨で第1期途中から導入し、予選から番勝負まですべての対局にかけられる。勝者にのみ懸賞金が渡るものと、敗者にも渡るものとの2通りが用意されている。
 一斉予選のスポンサー申し込みはすでに受付を始めている。特典など詳細はこちら

懸賞金といえば、大相撲が有名だ。取り組み前にスポンサー名がはいった旗が土俵をまわり、勝った力士が行事から渡される袋を手刀を切って受け取る。テレビ中継でおなじみの光景だ。

棋戦そのもののスポンサードは話が大きくなってしまうが、一局一局のことなら負担がそれほど大きくないので、出してくれる団体や個人もあるのではないか。それが女流の収入向上につながればと考え、実施している。
大相撲の懸賞金は実際に力士に入るのは半額程度らしいが、こちらはそれよりはるかに高い割合で女流に届く。
ある男性棋士がこのシステムを聞き、「オレも出たい」と言ったとか言わないとか…

女流棋士はプロなのだから、対局で稼ぐことに貪欲でいい。「必ず勝ちますから、スポンサーになってください」という営業をしたっていい。勝って稼ぐのは、プロとしてまっとうなことだ。

1人でも多くの方に、女流棋士への励ましをいただければ幸いです。