角換わりを一から始めるあなたへ~棒銀大勝利編~ | マイナビブックス

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角換わりを一から始めるあなたへ~棒銀大勝利編~

2015.01.15 | 米澤孝至

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隣の先輩に触発されてツムツムを始めました。編集部の米澤です。

最近、電車でスマホアプリ使っている人が本当に増えたと感じます。
自分も将棋の本読む時間をアプリに…。
 
現在、長岡裕也五段によるひと目シリーズの続編の編集作業を進めております。
次の一手形式で基本定跡から最新形までを徹底解説するこのシリーズ。
分かりやすい上に、とても実戦的な内容ですので、まだ読んでいない方はぜひご一読を。
電車で気軽に読める文庫本です!
 
第1弾は中飛車、第2弾は石田流
第3弾となる今回は角換わりです。
 
内容を簡単に説明しておきます。
今は腰掛け銀全盛の時代ですが、まずは棒銀で攻め方を覚え、早繰り銀の攻防を学び、その後最新形を含め、相腰掛け銀の将棋を勉強するという流れです。
実際、棒銀はかなり勝ちやすく、他でも応用の利く手筋の宝庫だと、私自身、読んでいて思いました。
 
今日は簡単に角換わりにおける棒銀の基本的な勝ちパターンを紹介します。
 
さっそくまずはこの形。
 
 
※解答図となっていますが、問題図です。発売までに直します。

▲1五歩△同歩に対してどうしますか?
 
普通は▲1五同香とするところですが、この形では△1三歩と受けられると攻めが止まってしまいます。
昔、大学の先輩が公式戦でこの筋を食らって大変な目に遭っていたので、私は知っていました。
この場合は▲1五同銀が正解です。
 
続いて△1五同香▲同香△1三歩で第52問。
 
 
これは角換わりに限らず出てくる端攻めの手筋といえるかもしれません。

ここで▲1二歩と垂らすのが端攻めを継続する一着。
▲1九香と足す前に、まずは▲1二歩と垂らすのが効果的です。
対して△2二銀と受けて第53問。
 
 
長岡先生からのヒントは「3手一組の好手があります。難問」
答えは末尾にて。
 
ブログ執筆中に、ちょうど先生からまえがきの原稿が送られてきましたので、今日はあえてまえがきで締めたいと思います。
 
 
まえがき
 
 将棋の序盤というのは難しいものです。何が難しいかというと、自分がどんな形を目指していけばいいのか分かりづらいからです。将棋の指し手はたくさんありますが、一つの局面において良い手はとても限られています。まずは「良い形」を覚えて、その形に組めることを目指していきましょう。
「ひと目の中飛車」、「ひと目の石田流」と振り飛車が続いていましたが、本書は角換わりを題材としています。角換わりとは、序盤早々に角交換をした相居飛車です。特徴は分かりやすく、互いに角を持ち駒にしていること。つまりはいつでも角を打つ権利を持っているため、隙を作らないように注意が必要です。
 逆に、角を手持ちにしているので攻撃力の高さが魅力的な戦型です。持ち駒がなければ攻めていけない状況でも、「角が打てるから」という理由で厳しく攻めていけることが多々あります。重厚なイメージのある矢倉の戦いと比べると、仕掛けから一気に攻め切ってしまえる可能性があるのが角換わりです。
 本書では攻めの基本である棒銀、角換わりならではの形である早繰り銀、そして花形である角換わり腰掛銀を順番に解説しています。角換わりの特徴である鋭い攻めを身に付けていただけるとうれしく思います。
 
 
☆解答
 
▲1一歩成△同銀▲8四香
 
 
1筋ばかり考えがちですが、時には盤面全体を見渡すことも重要です。
まず▲1一歩成で銀を浮き駒にし、▲8四香が強烈な一撃。
飛車を逃げれば▲8一香成。取れば▲6六角で飛車銀両取り。
先手大優勢です。
この変化に備えて後手は問題図の△2二銀に代えて△2二銀打と受ける手があるのですが、この続きは書籍にて。
 
私はさっそく棒銀使っていますが、本当に楽しいです。