久保&菅井の振り飛車研究その3~昭和の定跡編~ | マイナビブックス

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久保&菅井の振り飛車研究その3~昭和の定跡編~

2014.12.22 | 米澤孝至

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冬至らしく、朝からかぼちゃを食べました。編集部の米澤です。

かぼちゃは風邪の予防にいいらしいです。既に風邪引いてますが。
 
過去2回に渡って紹介してきた久保&菅井の振り飛車研究のカバー帯がお見せできる状態になりました。
 
 
発売は1月中の予定です。そろそろ確定情報が出ると思いますので、お楽しみに。
 
本書は7章立てになっており、順に、
・ゴキゲン中飛車
・石田流
・角道オープン四間飛車
・向かい飛車
・先手中飛車
・相振り飛車
・昭和の定跡
という7つの形に分けてテーマ図を22個選び、議論をしております。
12月22日だけに、22個です。
 
編集部で、「実は1番面白いのでは」とじわじわ評判を上げているのが、最後の「昭和の定跡」。
最新形ばかりが振り飛車ではありません。
今日はこちらから面白いやりとりを少しだけ。
 
テーマ図はこちらです。
 
 
「昭和の定跡」、まずは山田定跡から始まります。
 
菅井先生のコメントがこちら。
「自分は奨励会の入会前後は四間飛車ばかりでしたが、相手は居飛車穴熊が7割ぐらいでした。だから急戦の受け方は、今でもよく知らないです」
 
山田定跡に限らず、この後の定跡も「よく知らない」+「振り飛車持ち」で通す菅井先生。
久保先生に「最後には自分が勝つと思っているから、そういう発想になるんやろう(笑)」とツッコまれるくらい、自信満々の菅井先生からは振り飛車良しの変化がポンポン飛び出してきます。
 
そして、いわゆる定跡手順は書籍で久保先生が解説してくれます。
 
例えば、テーマ図から▲3五歩△同歩▲4六銀△3六歩▲3五銀△4五歩▲3三角成△同銀▲8八角△5四角
 
 
この△5四角が定跡の一手。
ここで例えば▲2四歩と突くと△同歩▲同銀△3七歩成▲同銀△2七歩▲同飛△4六歩で振り飛車良しという狙いだそうです。
なるほど。定跡は偉大です。
 
そして、山田定跡の解説から、2筋の突き合いの話になり、一段落した後。
菅井先生から今話題の今泉さんとの話が出ます。
 
菅井「思い出したんですけど、自分が子どものころからお世話になっている今泉健司さんに、▲8八角には△2二角と打たれる手があると教えてもらいました」
 
 
かなり見慣れない形ですが、この角の意味、分かりますか?
この△2二角があるから▲8八角ではなく▲7七角と打たなきゃいけないらしいです。
面白い変化ですので、腕に自信のある方は考えてみてください。
 
ちなみにこのお話のオチがこちら。
 
菅井「今泉さんは『こんなんも知らんのか。定跡やぞ』って、偉そうに言うんですよ。腹立つ(笑)。最近は自分が定跡を教えてあげているのに、ここぞとばかりに威張るんです(笑)」
 
いずれ実現するであろう、菅井―今泉戦が今から楽しみです。
 
 
※今回はあえて1番面白いと思う部分を抜粋しましたが、基本的には熱い振り飛車トークが繰り広げられています。