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雨宮編集長のコゴト@羽生善治かピーター・アーツか

2014.07.26 | 週刊将棋編集部

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 編集部がまだ千駄ヶ谷にあったころ。しょうもない話をしたことがある。正確に言うと、しょうもない話ばかりしていたが、その中でもとりわけしょうもない話として記憶しているものがある。
 
「羽生善治との将棋と、ピーター・アーツとのけんかと、どちらが勝てる確率が高いか」
 
 ピーター・アーツとは、当時人気のあった格闘技「K1」のチャンピオン。「暴君」と呼ばれていた。つまりメチャクチャ強い。ピーター・アーツが分かりにくければ、白鵬とか、マイク・タイソンとか、アントニオ猪木とか、ケンシロウとかに置き換えてください。
 
 そもそもプロの格闘家とけんかする状況がよく分からない。自分から因縁をつけるわけがないし、つけられたら逃げる。逃げ切れずに追いつかれたら、自分が悪くなくても謝る。有り金も渡す。仕方なくけんかすることになったとして、互いに素手なら間違いなく瞬殺される。
 
 では、羽生名人との将棋なら。この話の前提は指導対局ではなく、平手の勝負だ。こちらの棋力を見切られて本気でつぶしにこられたら、どのくらいの負かされ方をするのか。それはそれで恍惚の体験かもしれないが……。
 
 もちろん勝てる可能性が現実にあると思ってした話ではない。あるとしても0.0000000001パーセント以下での差なのだから、無意味なのだ。ところが、それこそ思考実験の醍醐味だなどと盛り上がっていたのだから救い難い。だからこそ、面白い。ここにはとても書けない話をいっぱいした。
 ほら、「0.0000000001パーセントなら、何回に1回かは勝てるということか」などと考え出したあなた! 同類かもしれませんよ。
 
 で、話がどうなったかというと、「将棋については一応アマチュア有段者であるものの、けんかについては初心者ですらなく、まだしも羽生善治との将棋のほうが勝てる可能性は高い」。

 ホントかよ?