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米長流急戦矢倉ワンポイント講座

2014.07.14 | 

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こんばんは。編集部の米澤です。

 
現在、来月発売を予定している「米長流急戦矢倉」の定跡書を編集中です。
まだ内容の詳細は明かせませんが、
後手番なのに攻めっ気120%、誰もまだ知らないとっておきの研究手順で、
さわやかに矢倉を攻め倒す本、とイメージしていただければと思います。
本日はその導入として、簡単に急戦矢倉のおさらいをしておきましょう。
 
「急戦矢倉」と一言で言っても様々な形がありますが、
今回の主役は「米長流急戦矢倉」です。
具体的にはこんな形です。
後手陣に注目して図面をご覧ください。
後手陣は見慣れない形かもしれませんが、矢倉党相手ならこの局面に誘導するのはそんなに難しくはありません。
この後手陣の構えを「米長流急戦矢倉」、本書では特に「米長流急戦矢倉本格型」と呼んでいます。
第1章ではこの「本格型」の他に「速攻型」も紹介されていますが、
今回の書籍では「本格型」の変化を中心に解説しています。
 
それでは組む途中の注意点を1つ。
第3図は△6四歩とした局面です。
何気ない一手ですが、ここで△5二金としてしまうと、
先手に将来▲7九角~▲3五角~▲2六角のルートで角を活用されてしまうのが不満です。
(6一に金が残っていると、▲3五角のときに▲7一角成がないのでこの心配はありません)
これで悪くなるわけではありませんが、先手は飛車先を保留したのが良い手になっていますね。
そういうわけで、「△5二金と上がるのは▲2六歩を見てから」が駒組みのポイントの1つです。
 
ちなみに、第3図から△6三銀と上がらず、△6二銀・4二銀型のまま動くのが速攻型だそうです。
 
では最後に「米長流急戦矢倉」の勝ちパターンを1つ簡単に紹介します。
基本図から▲3五歩△同歩▲同角△4四銀▲6八角と進んで第2図。
ここから後手は一気に攻め立てます。
第2図以下、△5五歩▲同歩△6五歩▲同歩と進んで第4図。
ここで、急戦矢倉でよく出てくる手筋の一着(3手一組)があります。
「本格的に攻める前に、自然に見えるようになりたい筋」(本文より)ということですが、
振り飛車党の私には全く見えません。
「3手一組」が大ヒントです。
 
正解は△8六歩▲同歩△8八歩
なんとこれで矢倉がつぶれています。
例えば▲8八同金は、△5五銀▲5六歩△6六歩▲5七金△6五桂▲5五歩△5七桂成▲同角△6七歩成
同様に▲8八同銀もつぶれているので、是非盤に並べて検討してみてください。
 
今日は早足ではありましたが、米長流急戦矢倉を紹介いたしました。
がっちがちの矢倉を手筋一発で突き崩す快感、伝わったでしょうか。
今日の続きは書籍の紹介と併せて後日行う予定です。
本書の目玉である、高段者向けの研究手順もいずれブログでちらっと公開できればと思っています。
ではでは。