編集部から
引き出しの中の宝物
2014.07.11 |
こんにちは。編集部の米澤です。
新刊情報が弾切れ気味なのでいくつか思い出深い書籍の話をします。
最近ではワードファイルで原稿を受け取ることが大半ですが、
時折手書きの原稿も受け取ります。
いずれも引き出しの中に大事にしまってあります。
※手書き原稿はもらったらまずはコピーを取り、大事に大事に扱っています
最初の手書き原稿は中川大輔八段の「すぐ勝てる!矢倉崩し」。
下が1字はみ出ているのは書籍が21字詰のため
原稿に図面が組み込まれていて、ページ数が正確に振ってあり、
表裏でちょうど2ページになるようにホチキスで止められていたりと、
マイナビ書籍のためにかなりカスタマイズされた原稿でした。
コクのある言い回しが多く、例えば「裂帛」という単語は、確か私以外の編集部員は正しく読めなかった記憶があります(笑)
珍しくルビを振って対応したはずなので、よかったら探してみてください。
次が近藤正和六段の「ゴキゲン中飛車で行こう」。
第34局「涙の夜道」のラスト
千日手局含め66局を、当時の思い出を織り交ぜつつ自戦記形式で解説しています。
ゴキゲン中飛車の変遷を振り返ることができる1冊です。
涙腺がキュンとする話も多く、特に第34局「涙の夜道」(←既にかっこいい)は打ち込みながら感動したのを今も覚えています。
近藤先生は今年の将棋年鑑のアンケート「自分の将棋のどこを見てほしい」という質問に、
「ゴキゲン中飛車 棋士人生を懸けましたからね」
と答えています。かっこいい。
最後が5月に発売した武市三郎七段の「将棋・ひと目のしのぎ」。
「●第1問解答●」という書き方はまさに将棋世界の付録形式
将棋世界の付録がベースになっている文庫本ですが、
書き下ろし問題も収録しており、この追加の問題が手書き原稿でした。
なかなか学べない終盤の受けの手筋が全183問。
超充実の問題集となっております。
本編と関係ないところでは、
まえがきで次回作への意欲が力強く語られていますので、ぜひご一読を。
本編と関係ないところでは、
まえがきで次回作への意欲が力強く語られていますので、ぜひご一読を。
手書き原稿はワードファイルなどとは違い修正はあまりできません。
それだけに著者の筆力が求められるのは当然のことで、
手書き原稿の先生の著書は、ぜひ文章一文一文を味わいながら読んでほしいと思います。
最後に。
「裂帛」の読みは「れっぱく」です。
機会があれば皆さんも使ってみてください。
最後に。
「裂帛」の読みは「れっぱく」です。
機会があれば皆さんも使ってみてください。