新刊案内
村山聖のスーパープレイ
2014.07.15 |
皆さんこんにちは。 編集部の島田です。
今日も来月末発売予定の新刊「羽生世代の衝撃」からいきます。
先日は若き日の羽生さんの超絶技巧を紹介いたしましたが、 今日は村山先生のスーパープレイをご覧にいれます。
村山先生といっても「序盤は村山に聞け」の村山慈明先生じゃないですよ。 「寄せは村山に聞け」の村山聖先生の方です。
昭和63年、▲村山聖五段―△田中寅彦棋聖の最終盤です。
序盤のエジソンこと田中先生が序中盤で圧倒的なリードを 奪ったものの村山先生がものすごい勢いで追い込んでこの局面。 ここでは両者1分将棋となっています。
今、田中先生の指した△2四歩が▲2一角成△同玉▲3一と以下の 詰めろを回避しつつ、△2八銀不成▲同玉△3八飛成▲1七玉△2五桂以下の 詰みを見た詰めろ逃れの詰めろ!
自玉を広くしながら味がいい一手!村山先生の追撃もここまでか!? と思われたそのときです。
ここからは河口先生の文で。
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いくら大差でも、これだけ疑問手がつづけばたいていおかしくなる。と思っていると、はたして、目を瞠る(みはる)ような手が出た。 ▲3七桂が凄い。よくこういう筋が浮かぶものだ。クソ粘りするところは羽生と同じだが。この切れ味は羽生にない。 田中も瞬間、頭が空白になった。妙手にはそういう効果もある。
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自陣の桂を跳ねる▲3七桂が超絶妙手!
これが自玉の詰みを回避しながら後手玉が△3四玉と出てきたときに▲4五金までの詰みを用意した詰めろ逃れの詰めろ!!
実戦は△3八飛成に後手玉を詰ました村山五段が勝ちとなりました。
すげー。村山先生超すげー。
最後も河口先生の文で。
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私は、この一戦によって村山に対する見方がすこし変わった。それは、次の機会、羽生~村山戦をお伝えするときに書くとしよう。村山の体調も含めて興味が尽きない順位戦での対決は関西で行われるが、私も同じ日に坪内と対戦するので、一部始終を見ることができる。どうか楽しみにしていただきたい。
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この羽生先生と村山先生の直接対決も当然書籍に掲載しておりますが、 それは書籍を買ってお楽しみください。
ではでは。