世界に誇る女性エジソンはEightでビジネスを活性化!|MacFan

レクチャー となりのアプリ

下川眞季

世界に誇る女性エジソンはEightでビジネスを活性化!

文●美崎栄一郎

「iPhone/iPadバカ」でも知られるビジネス書作家・美崎栄一郎氏が、著名人のiPhoneの中身を覗き見!

 

見せる人/下川眞季  

株式会社ダヴィンチ・ブレインズ代表取締役社長。慶応義塾大学大学院工学修士。元ソニー株式会社技術経営担当部長。全国発明表彰、特級特許表彰など多数受賞。埋もれた技術を商売に変えるヒトモノづくり仕掛人。著書に『「かわいい」のわざが世界を変える:フィールウェアという発想』(彩流社)がある。【URL】http://www.davinci-brains.co.jp/

 

下川眞季さんのiPhoneインストールされているアプリ Eight/ChatWork/NHK WORLD TV/GCall/SMARTalk

 

 

イメージセンサを発明

今回のゲストは、ソニー在職中にデジタルカメラ用のイメージセンサなどを開発した下川眞季さん。今ではiPhoneのカメラもソニー製ですから、読者のみなさんとも所縁ある方といえますね。

下川さんはソニー初の女性工学修士エンジニア採用だったそうです。そのため、入社後のご活躍でソニーでは「初の女性○○」といったポジションを歴任されます。ざっと列挙しますと、技術担当部長、商品開発担当部長、エレクトロニクス広報部長、技術経営担当部長…。そしてソニーを卒業後は、現在の株式会社ダヴィンチ・ブレインズで全国のモノづくりを応援する仕事をしています。

下川さんは、「感性」という目に見えない感覚を、あらゆるモノに見える化する「フィールウェア(feelware)」というものを提唱されています。「感性を形にする」って、ソニーがやっていてもよさそうなコンセプトですよね。このフィールウェアを、技術のある町工場と一緒になって、製品という形にしています。

たとえば「磨き屋シンジケート」ともいわれた新潟・燕三条の磨きの技術は、iPodの鏡面仕上げで有名になりました。その燕三条にある石田製作所さんの精密な曲げ加工の技術によって、鏡面仕上げの小さなステンレスの板をハイヒールのような形にしました。一見オブジェのようですが、実は「キャンギャル(CANGAL)」というプルタブ缶オープナーなんです。ネイルや付け爪をしている女性にとって、プルタブ缶を開けるのは大変ですもんね。これがあれば、見た目もかわいく、爪を気にせずに最小限の力で開けられます。

また、工業用の精密ニッパーを作っているマルト長谷川工作所とは、爪切り用のかわいいニッパーを製作したそうです。超精密な技術を一般の爪切り用途に使い、見た目も工夫することでさらに感性に訴える形にしているのです。

また、一社だけでなく、企業連合でフィールウェア製品を作っている地域もあります。それが、長野県伊那市の「製造業ご当地お土産プロジェクト」です。

山全体が桜に覆われるということで有名な高遠城址公園の桜。この高遠の桜をモチーフにしたコマも、このプロジェクトで生み出された製品です。桜の蕾の形をしたコマを回転させると、桜の花が開き、美しい桜の形のコマになります。回転が弱まると、また蕾に戻るという機械仕掛けのコマです。それを、消しゴムくらいの小さなサイズで実現するところに町工場の技術が集約されています。ただスペックで語るのではなく、技術を感性に訴える形に変えているのですね。私は技術者ですから、ついついどういう構造で実現しているのだろうと仕様が気になってしまうのですが…。

技術を“かわいい”という感性に訴える形にする。技術を“面白い”という感性に訴える形にする。モノが溢れる世の中で欲しいと思うモノを作るには、技術をフィールウェアというコンセプトで包むと魅力的になりますね。




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