2018.02.16
「日本語入力」の基本、トラブルシューティング、役立つTIPSや、合わせて使いたいソフトなどを丁寧に解説します。
【応用1】サードパーティ製の日本語入力を使ってみる
標準以外の選択肢もある
いうまでもなくmacOSには日本語入力ソフトが標準搭載されていますので、日本語を入力するために特に費用はかかりません。かつては変換効率が悪かったのですが、最近は[スペース]キーを押さなくてもかな漢字変換される「ライブ変換」が搭載されるなど、完成度はかなり高くなっています。それでもユーザからは、誤変換が多い、ライブ変換が遅い、変換キャンセルが面倒といった不満も挙がっているのも事実です。
こうした悩みを解決してくれるのが、「ATOK(エイトック)」「かわせみ」「グーグル日本語入力」に代表される、サードパーティ製の日本語入力ソフトです。これらには、変換効率の良さや推測変換の賢さ、人名・固有名詞・英単語候補の豊富さに加え、標準の日本語入力が備えない機能が豊富に用意されていて、日本語入力をより快適にしてくれます。
ただし、システムに組み込むソフトなのでOSのアップデートで不具合が起きる可能性もありますし、グーグル日本語入力以外は有償というデメリットもありますので、そこはトレードオフの関係にあります。
ATOK 2017
【開発】ジャストシステム 【価格】ベーシック通常版:9800円、プレミアム通常版:1万3800円、ATOK Passportベーシック:月額286円、ATOK Passportプレミアム:月額476円 【URL】http://atok.com/
定評のある純国産入力ソフト
ATOKは、日本語ワープロソフト「一太郎」から、かな漢字変換機能だけを切り取って単体販売された、歴史ある日本語入力ソフトです。ウィンドウズの世界でも当初から入力効率の良さが支持され、高いシェアを獲得しました。変換精度が高いのに加え、確定するたびに最適な推測候補を表示する機能や類義語の中から最適な表現を選べる機能、地方特有の言い回しや方言などをスムースに変換できる機能、ユーザ辞書をほかのデバイスと同期できる「ATOK Syncアドバンス」(最初の12カ月は無料)などを搭載しています。
最新の「ATOK 2017」では、ディープラーニング技術を取り入れた新しい変換エンジンを採用し、単語のつながりから文脈にそったものを推測してくれるなど、より進化しています。
数文字タイプすると表示される推測候補から、使いたいものを[tab]キーで選んで確定できます。さらに入力すると複数文節の推測候補も表示されるほか、1つ確定したあとに続く推測候補を表示する機能もあります。
WEBブラウザやメール、ワード書類など、開いているウインドウ内に含まれる単語やフレーズを、変換候補や推測候補として優先的にリストアップする機能もあります。
基本的な言葉のミス(誤用や誤読、重ね言葉)、敬語の使い方、打ち間違いをなどを指摘する機能や、難しいカタカナ語の言い換え例を提案する機能もあります。
たとえば「おねぎあします」と入力して「尾根ギアします」と確定したあと、すぐに正しく入力し直すと、ATOKはそれを学習して次からは「おねぎあします」でも「お願いします」と正しい候補を提示する機能が搭載されています。
「もっといい表現はないかな?」というとき、入力して[control]キー+[A]キーを押すと、似た表現や類義語を提示する「類語ファインダー」が開き、イメージに近い表現が見つけられます。
「半角英字」入力モードでは、英単語のはじめの数文字を入れるだけで、対応する単語を候補リストにピックアップしてくれます。また、ローマ字で日本語を入力しても、英単語が変換候補として現れます。
[control]キー+[shift]キー+[F11]キーを押すと現れる「お気に入り文書メニュー」 から、ビジネス文書やあいさつ文例などを瞬時に入力できます。よく使う定型文を自分で登録することも可能です。
「ATOK Syncアドバンス」は、ユーザ辞書、省入力データ、お気に入り文書などの環境を別のMacやWindows、スマホでも使えるサービス。12カ月無償で利用できます(ATOK Passportメンバーは継続利用可)。
ほかのMac、Windows、Androidでも使うなら、合計10台までのデバイスで使える定額制の「ATOK Passport」が便利。思い出せない言葉を入力する際に便利な「ナントカ変換」などを利用できます。